2022.03.19
# 介護
「ヤングケアラー」をことさら報じるメディアが、実は見落としている「重要な問題」
「ケアラー」一般の問題ではないか?注目が高まっている「ヤングケアラー」
2023年には、全ての子どもの健やかな成長を保障する観点から、必要な関与を行う部署として「子ども家庭庁」が創設されるという。
基本骨格は、企画立案と総合調整、生育、支援の三部門から構成されており、支援部門では「ヤングケアラー」支援に大きな比重が割かれている。
ヤングケアラーという語は耳慣れないかもしれない。
その定義は、「家族にケアを必要とする人がいる場合に、ふつうなら大人が担っているケアの責任を背負って、介護などのケアを行っている未成年(18歳未満)の子ども」とされる。
親やきょうだいや祖父母、あるいは親戚で、障害や慢性的な病気や精神的な問題を抱えている人をケアし、家事や身の回りの世話や見守りや精神的サポートなどを行っている子どもたちである。
学校への遅刻や欠席が増えたり、友人関係や進学や就職に支障が出たり、将来の進路の選択の幅を狭められたりすることが問題となった。

ヤングケアラー本人が周囲に相談することを躊躇していたり、知識不足で公的な支援制度や福祉の仕組みを知らなかったり、未成年であるために本当は決定権がないまま責任を押し付けられたりする中で、どんどん孤立していく。
たしかに、これは大きな問題で、政策として取り組むべき課題に見える。
だが、そんな単純な見方だけで本当によいのだろうか?