2022.03.16
# ロシア

ロシアへの経済制裁が「まだ十分に効果を発揮していない」これだけの理由

カギは石油と天然ガスの「禁輸措置」

ウクライナ侵攻に伴い、西側各国がロシアに科した経済制裁が十分な効果を発揮していないとの見方が出ている。最大の原因は、ロシアにとっての生命線である原油の禁輸措置を実施しているのが、米国だけにとどまっていることである。ロシアに致命的な打撃を与えるには、欧州への天然ガス供給を止める必要があるが、これは西側経済にとって大打撃となるため、なかなか踏み切れないという事情がある。

ロシア経済はまだ「破綻」していない

西側各国は、ロシアに対して主に2つの経済制裁を実施している。ひとつはロシアが保有する外貨準備の引き出しを制限する措置、もう1つはSWIFTと呼ばれる国際送金ネットワークからのロシアの排除である。どちらもロシア経済にとって大打撃であることは間違いないが、致命的な影響を与えているとまでは言えない。実際、プーチン政権は譲歩する構えを見せていないし、ロシア国内ではインフレが進んでいるものの、経済が壊滅状態という状況にはなっていない。

厳しい経済制裁を科しているにもかかわらずロシア経済が完全に破綻していない理由の1つは、経済制裁が効果を発揮するまでには時間がかかるというタイムラグの存在である。だが、それ以上に大きいのは、ロシアにとって最大のアキレス腱である石油と天然ガスの禁輸措置が実施されていないことである。

ロシア・ヤロスラヴリの石油精製工場〔PHOTO〕iStock
 

ロシアが保有する外貨準備の半分は凍結されているので、同国の通貨ルーブル下落を防ぐ為替介入を実施できない。このためルーブルは暴落しており、輸入品の価格が急上昇。国内ではインフレが進んでいる。しかしながら、制裁の対象となっているのは、あくまで政府が保有する外貨準備なので、すべての外貨が凍結されているわけではない。

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