2022.03.18
# 年金

年金がカットされるくらいなら「働かない方がマシ」…56歳会社員が陥った「大きな誤解」

山中 伸枝 プロフィール

在職老齢年金は、厚生年金に加入して働くから対象となります。従って、パートやアルバイトといった身分であればいくら収入があっても年金がカットとなることはありません。これは自営業として独立しても、自らが厚生年金に加入しなければ同じことです。

とはいえ、高木さんは独立志向でもないため、その場合は定年後も厚生年金に加入するメリットは大いにあると考えます。

photo by iStock

まず年下の奥さんを継続して扶養することができます。高木さんが定年でお勤めを辞めると、ご本人は60歳ですから国民年金に加入する義務はありませんが、5歳年下の奥様はこれまで扶養で保険料が免除であった第3号被保険者から第1号被保険者へと変わり月約1万7000円の国民年金保険料を負担することになります。5年分だと約100万円です。

これが扶養のまま継続できればこれまで通り免除を受けることができます。健康保険も同様に、高木さんの扶養のままで保険料の負担は要りません。

高木さんご自身も会社員の社会保険の恩恵を受けられます。仮に病気で長期療養を強いられても会社員の健康保険には傷病手当金として給与の約3分の2を補填してくれる制度などありますからやはり国民健康保険より給付が手厚いと言えます。

 

また厚生年金加入にもメリットがあります。高木さんも嘱託社員で働くと先輩と同等の給与が見込めると思っていますが、仮に月27万円の給与で65歳まで継続して働くと、65歳から受ける老齢厚生年金が約9万円上乗せされます。

月当たりにするとあまり大きなインパクトと感じないかも知れませんが、公的年金は終身年金ですし、さらに受取時期を70歳あるいは75歳まで繰下げをすることで金額を増やすこともできます。

SPONSORED