2022.03.18
# 年金

年金がカットされるくらいなら「働かない方がマシ」…56歳会社員が陥った「大きな誤解」

ファイナンシャルプランナーである筆者のもとに相談にいらした高木さん(56歳、会社員男性)。最近、ひとまわり年上の先輩から「定年後下手に働くと年金がカットされたり、もらえなくなるから損だぞ」と言われ、定年後に嘱託社員で働くことへのモチベーションが低下しています。

しかし、昭和28年1月生まれの先輩と、昭和36年4月以降生まれの高木さんでは、年金の制度が根本的には違うことは、前編『「定年後にヘタに働くと年金で損する」…56歳会社員へ先輩からの「危ないアドバイス」』で紹介したとおりです。

後編では、「働くと年金がカットされる」という誤解がなぜ生まれたのかを解説していきます。

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「働くと年金がカットされる」の誤解

高木さんよりも5年も先に年金が受け取れた先輩は、一見ゆとりある老後を過ごされていように感じますが、いったいなぜ損をしたと言ったのでしょうか?

これは「在職老齢年金」という仕組みにあります。

在職老齢年金とは、60歳以降厚生年金に加入して働くと、会社からの報酬額により老齢厚生年金額が調整される仕組みです。要はお元気で働いていらっしゃるあなたには、年金は不要ですよね、遠慮してくださいという仕組みです。デフレが長く続き、賃金がなかなか上がらない若年層との格差を埋めるための措置とも言われています。

 

具体的に見ていきましょう。高木さんの先輩は嘱託社員として定年後すぐに働き始めました。もちろん厚生年金に継続加入しています。一方前編で紹介したように60歳からは特別支給の老齢厚生年金を受け取ります。今回は月9万円として話を進めます。

高木さんの先輩は、嘱託なので少し肩の力を抜きながら働いて、給与の他に年金が月9万円あるのですから、完全なリタイア生活に入る前の助走期間としては恵まれています。しかしここで、思わぬ落とし穴がありました。

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