2022.03.15
# ロシア

プーチン・ロシアは既に「デフォルト状態」…経済制裁でウクライナ侵攻の「戦費」は枯渇する?

5回に分けて発動された経済制裁

ロシア軍のウクライナ侵攻の直前から、日本、アメリカ、ヨーロッパの西側諸国は様々な経済制裁を実施してきた。

あまり報じられていないが、筆者から見れば、乱発した制裁の中には強力なものもあった。その効果は絶大で、ほんの数週間前まで隆々としていた世界第11位の経済大国ロシアをすでに事実上のデフォルト(債務不履行)に追い込んだ。

ロシア軍はウクライナ侵攻のために湯水の如く戦費を費やしている。こうした経済制裁について、戦費にどのような影響を与えうるのかを含めて考えてみたい。

経済制裁&戦費増大でプーチンは焦っている?/photo by gettyimages
 

まずは、日米欧の西側諸国がどのように制裁を実施してきたかを振り返っておこう。

制裁はこれまで5回に分けて、その発動が発表されてきた。以下、そのパッケージをひとつひとつ検証するが、流れとしては軽い制裁、つまりロシアの国力をそぐという意味ではあまり効果のないものから始まり、徐々に厳しいものにエスカレートしてきたと言える。

では、制裁の第1弾だ。これは2月22日に打ち出された。

ロシアのプーチン大統領が前日に、安全保障会議を開催、親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部の一部地域の独立を承認したうえで、平和維持を口実に親ロ派支配地域へのロシア軍の派遣方針を決めたことに対抗したものだった。

中身は、米国が、(1)インフラ整備を担うロシア国営銀行「国営開発対外経済銀行(VEB)」と軍需産業の資金調達を役割とする「プロムスビャジバンク(PSB)」の2行が米国内で取引できないようにする、(2)ロシア政府が国債や政府機関債を通じて西側で資金調達できないようにする、(3)プーチン政権の幹部やその家族らの個人金融資産を凍結する――ことの3つだった。

欧州諸国も各国・地域内でロシアの銀行の取引を制限、政権幹部らの個人資産を凍結した。

この時、欧州で特に注目されたのが、ドイツの対応だ。ショルツ首相が一転して、ロシアとドイツを結ぶ新しいガスパイプライン「ノルドストリーム2」の認可手続きを停止すると発表したからである。

ドイツのショルツ首相/photo by gettyimages
 

それまで、ドイツは巨額の投資が無駄になるだけでなく、先行きの天然ガス調達に支障が生じるとして、制裁に一貫して慎重姿勢をとってきたが、態度を一変させたのだ。ただ話題としては大きかったものの、このパイプラインは新設だ。現時点での輸入を抑えて、ロシアの輸出にダメージを与える制裁ではなかった。

日本も翌日、関係者へのビザの発給停止および資産凍結、ロシア政府による新たなソブリン債の日本における発行・流通の禁止など制裁措置を打ち出して、欧米と足並みを揃えた。

しかし、これらの制裁第1弾はいずれも、ロシア経済に決定的な打撃を与えるにはほど遠いものに過ぎなかった。

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