「いま、渋谷で飲んでない?」

そんなことを考えていると不意にLINEが来た。

「いま、渋谷で飲んでない?」

平日の23時頃だった。友人と渋谷で飲んでいたが、今ひとつ飲み足りないとのこと。
偶然渋谷に居合わせるなんてドラマの様な奇跡が起こるはずもなく、僕は既にシャワーも浴びて、パジャマに身を包んでいた。しかしクリスマスに久々の再会! となるよりも、先に会っておきたい。いや……今、彼女に会いたい
中間地点の幡ヶ谷へタクシーで急いで向かった。ちなみに幡ヶ谷へ行くのも初めてだった。意外にも10分程度で到着。まだまだ知らない世界が身近にはたくさん転がっている。

彼女は、『さんだらぼっち』といういかにも老舗のスナックに先に入っていた。
ひと月半ぶりに会う彼女は、何も変わらぬ笑顔で元気そうだった。安心した。
そして焼酎の水割りで乾杯すると、山口百恵さんの「さよならの向う側」を歌い出した。彼女の歌声を初めて聞いた。力強いのに艶っぽい歌声。やはり芸能人ってすごい。なんでもできるんだ。

写真提供/つーたん

そして、急遽の3回目のデートも日付を跨ぎ、午前3時頃まで盛り上がり、あとはクリスマスを待つこととなった。

写真提供/つーたん
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お付き合いがしたい。

彼女は、明るく快活で、まっすぐで、心優しいとても魅力的な女性である。
僕は、彼女にとても惹かれている。はたから見れば、ただの飲み友達かもしれない。でも僕の中では、”友達”という表現はしっくりこないのだ。

お付き合いがしたい。
しかし、ど平凡一般人が、芸能人とお付き合いすることが叶うのか。告白することさえ、迷惑でおこがましいのではないか。そうに決まっている。なんといっても住む世界が違いすぎる。

……彼女はどう思っているのだろう。