2022.03.12
# 週刊現代 # 社長 # 刃物

刃物メーカーの『貝印』…日本が誇る刀匠技術を「世界的ブランド」に育てるまで

遠藤浩彰社長に聞く
岐阜県関市はドイツのゾーリンゲン、イギリスのシェフィールドに並び、世界の「三大刃物の産地」と称される。中でも世界的な知名度を誇る企業が「貝印」だ。商品は、剃刀、包丁から工業用・医療用の刃物まで、何と約1万点。世界の「切る」を支える会社を率いるのは、創業家出身の遠藤浩彰社長(36歳)だ。

刃物に受け継がれている「伝統」

関市が刃物の街になったのは、日本刀の刀匠が集まったからです。炉に使う松炭、焼き入れの際に塗る「焼刃土」、さらには鋼を冷ます時に使う良質な水にも恵まれていました。

洋の東西を問わず、刃物は伝統を受け継いでいます。例えば西洋の剣は叩き切るように使うため、今も刃物は無骨で頑丈です。

一方、日本の刃物は刀の伝統を受け継ぎ、力を加えなくてもスッと刃が入る繊細な切れ味を持っています。

photo by iStock
 

包丁がその代表格でしょう。魚を切る時は細胞を潰さず滑らかな舌触りになりますし、野菜を切る時は繊維を潰さない。和食の繊細な味わいには日本の包丁が寄与しているのです。

当社の歴史は商品の新陳代謝の繰り返しが積み重なったものだと思います。

例えば最近、手に持つ「ホルダー」の部分が紙製で、プラスチックの削減に貢献できる剃刀を開発しました。

風呂場や洗面所で濡れても使い心地を損なわないように100回以上試作したもので、試験販売の段階で話題となり、この3月から全国で販売します。

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