不登校中学生の3〜4割が『起立性調節障害』!? 青春の時間を無駄にしないためのポイントとは

早めの受診とあきらめないことが大切

朝起きられず学校を休みがちなのに、夜は元気でなかなか寝ない。そんな子どもたちがいます。昼近くまで寝て、家でダラダラ過ごしてしまう様子をみて、「怠けている」「サボっている」と苛立つ親御さんは少なくないでしょう。

「夜更かしするから早く起きられない」というのは、一般的にはそのとおりです。しかし、もしかしたら『起立性調節障害(=OD)』という病気で「早く眠れない」のかもしれません。「怠けている」とは限らないのです。

この病気は、骨折や発熱などと違って見た目ではわかりにくいという特徴があります。状況になかなか改善がみられないなら、早めに医療機関を受診しましょう。原因を確かめたうえで、適切な対応をしていくことが大事です。

病気のサインや原因、対処法など、症状を回復に導くためのヒントを探っていきましょう。

自律神経のアンバランスが招く“体の病気”

いま中学生のおよそ24人に1人が不登校の状態にあり(令和2年)、このうち3~4割の子どもに『起立性調節障害(=OD)』がみられるといわれています。

ODとは「起立」したときにさまざまな不快な症状が現れやすくなる病気で、体の機能を調節する自律神経がうまく働かないために起こります。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、心臓の動きや、消化にかかわる胃腸の動き、体温のコントロールなど、人間が生命を維持するうえで必要な体の機能の調節を行っています。

健康な状態では、2つの神経系が、適切なバランスを保ちながら働いています。しかし、その働きに問題があると体の機能調節がうまくいかなくなり、不快な症状が現れやすくなります。

ODでみられる症状は、自律神経の働きの悪さの現れです。起立直後や起立中に血圧が低下したり、脳の血流が不足したりすることにより、立ちくらみやめまいなどが生じます。あるいは、心拍数がいちじるしく増加し、ふらつきや倦怠感、頭痛などが現れることもあります。

【写真】ODの症状は?立ちくらみやめまい、あるいはふらつきや倦怠感、頭痛などが現れる photo by gettyimages

ひとつひとつの症状は、寝不足や疲れ、軽い体調不良があるときなどによくみられるものばかりです。ODの場合は、こうした症状が毎日のように現れ、なかなか改善しません。

次に挙げる項目に、3つ以上当てはまっていたら要注意のサインです。さっそくチェックしてみましょう。

【ODチェック】

3つ以上当てはまればODの現れかもしれない!?

  • □ 立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい
  • □ 立っていると気持ちが悪くなる。ひどくなると倒れる
  • □ 入浴時、あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる
  • □ 少し動くと動悸、あるいは息切れがする
  • □ 朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い
  • □ 顔色が青白い
  • □ 食欲不振
  • □ 臍疝痛(おへそのまわりの差し込むような痛み)をときどき訴える
  • □ 倦怠(だるい)あるいは疲れやすい
  • □ 乗りものに酔いやすい
  • □ 頭痛

(日本小児心身医学会編 『小児心身医学会ガイドライン集 改訂第2版』による)

こうした症状が長引くようなら、医療機関を受診して原因を確かめておきましょう。ODの専門外来もありますが、小・中学生なら小児科で診てもらえます。

「うつ病」と間違えることも

検査は新起立試験(ODテスト)という方法で行います。

ODテストは、安静時と起立時の血圧や、横になった状態から立ち上がることで一時的に低下した血圧が、再び安静時の血圧に戻るまでの時間(起立後血圧回復時間)を測定するもの。このほか、一般的な血液検査やエックス線検査、必要に応じて検尿、心電図検査、脳CT、脳MRIなどを行います。

似た症状でほかの病気と間違えないように注意します。間違いやすい病気には、鉄欠乏性貧血や甲状腺機能低下症・亢進症、不整脈、うつ病などがあります。ただし、鉄欠乏性貧血や甲状腺の病気は血液検査で、不整脈は心電図検査で確認可能です。

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