【女性と若者と政治のいま〜能條桃子×白河桃子 対談】

私が若者の政治参加の後押しをする団体「NO YOUTH NO JAPAN」(@noyouth_nojapan)代表の能條桃子さんと知り合ったのは、2021年の東京オリンピック・パラリンピック開催前、組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言問題の頃だ。臨時評議員会で「女性がたくさんいる会議は時間がかかる」「(自分の組織の女性は)わきまえておられる」などと発言し、国内外で「女性蔑視発言」と批判が殺到。能條さんは、有志の仲間と共同で署名活動の立ち上げ人となり、1週間で約15万7400筆の賛同を集めて委員会に提出した。

「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さん

五輪スポンサーからの批判もあり、森氏は辞任したが、女性蔑視発言でこれだけの大物が辞任することは、日本のジェンダー史に残る出来事ではないかと思う。能條さんたちの署名活動は、社会にどんな影響を与えたのか。また、女性と若者が不在と言われる日本の政治だが、いまの若者は政治参加をどう捉えているのか、率直な思いを聞いた。

能條桃子 プロフィール
1998年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。慶應義塾大学院経済学研究科修士1年。20代の投票率が80%を超えるデンマークに2019年に留学したことをきっかけに、日本のU30世代の政治参加を促進する「NO YOUTH NO JAPAN」(2020年より一般社団法人化)を設立し、代表理事を務める。
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「森発言」を振り返って

白河:能條さんは、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言があったときに、すぐに15万人以上の署名を集めました。私はそれが日本のジェンダー規範に関してかなり大きなターニングポイントになったと思っているのです。

女性蔑視発言で組織委会長を辞任した森喜朗氏〔PHOTO〕Getty Images

能條:そう言っていただけることってありがたいし、嬉しいです。行動している本人たちは渦中にいるので、その意義づけはあまり考えていませんでした。必要だと思って行動しただけです。

白河:能條さんたちのように活動をする人が出てくると、そこから一つの大きな突破口が開けたりするんです。再発防止に関する対策案を持って行きましたが、オリパラサイドの対応についてはどう感じましたか?

能條:オリパラの組織委員会は解散してしまう組織ですが、会長は変わりましたし、理事の割合やガイドラインなど進んだ感じはします。

白河:次の時は同じことはしないだろうなと思いますね。

能條:組織委員会自体へのインパクトよりも、「あんな発言をすると辞めさせられるんだ」と、社会に波及していくことに意味があったと今は思っています。「自分は森さんと同じことをしていないかな?」とドキッとする人もいたかもしれません。