2022.03.13
# ライフ

「我慢しなくていいんだよ」モラハラ夫に悩む43歳妻を救った「祖母の言葉」

彼女が気づいた選択肢

夫からモラハラを受けたことがある妻は85%ーー。2019年に養命酒製造株式会社が子どもがいる20歳~49歳の既婚女性1,000名を対象に調査では、そんな衝撃の結果が出た。

程度の差はあるかもしれないが、それほど多くの人が、パートナーからのモラハラ行為にさらされているという自覚があるのだ。

ただ、実際にはモラハラの線引きは簡単ではない。前編記事〈85%の妻が「夫のモラハラ」を経験ずみ?陥りやすい「私さえ我慢すれば」のワナ〉で紹介したサヨリさん(仮名)の事例では、彼女は従姉妹に指摘されるまで日常的にモラハラを受けていると気づけなかった。

たとえ夫に「嫌な気分」にさせられても、それが自分が至らないからだ、あるいは夫の虫の居所が悪かっただけだと自分を納得させてしまう女性たちは少なくない。

そんな彼女たちの目を覚ましてくれるのは、やはり第三者からの指摘なのだろうか? 夫の暴言を我慢しながら夫婦生活を送っていたある女性の事例をもとに考えていこう。

つわりで苦しんでいる私に……

不快な言葉を投げつけられたとき、大人はつい黙りこくってしまいがちだ。言われたショックもあるし、ここで言い返すのも大人げないと思うし、さらにはもっとヒートアップされても困るととっさに判断するのだろう。

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「私は自分なりにできる努力はしたと思います」

そう言うのはマチコさん(43歳・仮名)だ。30歳のとき、3歳年上の彼と結婚したものの、子どもが3歳になった35歳で別居。2年かけてようやく離婚が成立した。今は11歳の長男と、自分の両親との4人暮らし。

「最近、やっとビクビクしなくなった。結婚しているときは、夫がいつモラハラしてくるかと顔色をうかがって暮らしていたから」

結婚して1年ほどはごく普通の仲良し夫婦だった。妊娠して体調がすぐれなくなったころから夫の“不適切発言”が始まった。仕事を続けていたマチコさんが、早退して寝込んでいたときも夫は帰るなり、「オレのメシは?」と言った。

「体調不良の妻はいらないと言われているような気がしました。夫にとって必要なのは、元気で、あらゆることをサポートしてくれる妻であって、自分が私を支えるという概念はいっさいなかったんじゃないかなと今になって感じています」

つわりが続いていたころ、「なんとかしろよ」と言われたことがある。なんとかなるものならなんとかしたい、そもそもこのつらさはあなたにはわからないのだから、そういう言い方はないんじゃないかとマチコさんは反論した。すると夫は「なんのためにオレがおまえと結婚したと思ってるんだ」と怒鳴った。

 

「嫁というものは夫に従い、夫を立てるものだろう、と。今どき、そんな感覚をもっている男性がいるんだとちょっとびっくりしました。独身時代は、頼りになる人だと思っていたけど、それほど偉そうではなかった。結婚して、私が自分のものだと思うようになったんでしょうね」

マチコさんは、そういう考えはおかしい、夫婦は立場として対等であるべきだと思うと静かに話した。ところが夫は激昂するばかり。そのうち力任せに音を立ててドアを開閉し、家を出て行ってしまった。その日は帰ってこなかった。

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