2022.03.03
# ライフ

高齢者施設に入居した“亭主関白”夫と妻、「施設内別居」で生じた“真逆”の変化

答えのない現場の「実態」

今、自分や身内に介護が必要ない方でも、そのタイミングが訪れたら何から準備すべきなのか、また今から何を考えておくべきなのか、多くの人が「見えない不安」を抱えていると思います。今回は実際の事例をもとに「高齢者の居場所」について考えてみたいと思います。

前編でご紹介した通り、同じ高齢者向けの施設(同フロア・別室)へ入居された渡辺さん夫妻ですが、亭主関白の旦那さんによる施設内での奥さんへの過度な介入や攻撃的な発言が問題となり、協議の結果、施設からは別フロアで生活することがお二人に提案されることになったのです。

(前編:高齢者施設で怒鳴り散らす「亭主関白」な高齢夫、“別部屋”の妻に取った「驚き」の行動

 

“離ればなれの生活”で夫婦に起こった変化

最初は渋る旦那さんでしたが、自分が奥さんと離れる事を嫌がっていると職員に思われたくなかったのか、最後は「職員さんの手が掛かるといけないと思って私が世話をしていたが、手が離れて悠々と過ごせる」などと言っておられました。

逆に奥さんは「旦那が一人でやっていけるか心配であまり離れたくない」と心配していましたが、様子を見ながらやってみるという事に納得して、二人は同じ施設の別フロアで生活する事となったのです。

最初は「清々して一人の時間を楽しめる」と言っていた旦那さんでしたが、1ヵ月もしない内に奥さんがいない変化に馴染めなくなってきます。

「私の妻を何処にやった! お前達はひとさらいか!」

「私はお前達に騙されてここに連れて来られた! 責任者を出せ! 責任者を包丁で突き刺してやる! そしてその後に私も包丁で死ぬんだ!」

写真はイメージ/photo by iStock

こんなことを叫び出す様になってしまったのです。

その姿には、旦那さんが最初の頃に見せていた「離れて清々する」と発言していた時の様子は微塵も感じる事ができないほどでした。

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