2022.03.03
# エンタメ # 韓国

「下り坂」の日本映画と大成功した韓国映画、ここまで「決定的な差」が生まれた理由

まだ希望は残されている

Netflix発の韓国ドラマ『イカゲーム』が世界中で爆発的なヒットを見せるなど、近年は“韓国映像業界”の躍進がこれまで以上にめざましい。公開される作品はドラマ・映画とも総じてクオリティが高く、特に映画業界では2020年のアカデミー賞でなんと、『パラサイト 半地下の家族』が作品賞を受賞するという快挙まで成し遂げた。

アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督[Photo by gettyimages]
 

批評面・興行面ともに黄金期を迎えていると言っても過言ではない韓国映画業界と比較すると、近年の日本映画業界は予算規模も大きいとは言えず、テレビドラマの延長のような小ぢんまりとした作品が目立つ。また、演出や演技面でも厳しい評価が寄せられることも多い印象だ。

そこで今回は、真逆の様相を呈している韓国と日本の映画業界について、2007年より東京国際映画祭でディレクター業を務めるかたわら、日本映画大学の教授として後陣の育成にも尽力している石坂健治氏に話を伺った(以下、「」内は石坂氏のコメント)。

大躍進の鍵は、国家主導で進めた文化振興

ヒット作を連発する韓国映画業界だが、実は約30年前は崖っぷちの状態にあったという。そこから、ここまで成長を遂げた理由はなんなのだろう。

「韓国では1980年代に民主化運動が進んだことで、表現の自由が広がる一方でアメリカ映画が次々入ってくることにもなり、1987年には韓国映画のマーケットシェアが15%を切ります。まさに当時の韓国映画業界はどん底の状況にありました。

これはまずいと、1993年に金泳三(キムヨンサム)大統領主導で省庁の再編が行われたんです。そのなかで映像、出版、美術、体育などの文化産業を支援する文化体育部(現・文化体育観光部)に文化産業局が新設されました。

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