2022.03.03

金沢大学が准教授に「不可解すぎる懲戒処分」…いま名門大で起きている「異常事態」の全容

不可解な懲戒処分

金沢大学医学部の小川和宏准教授は、金沢大学が隠蔽した患者の医療事故死を厚生労働省に通報するなど、過去に複数回の「公益通報者保護法」に基づく内部告発を行ってきたことで知られる。

2020年に衆議院議員会館で開催された日本弁護士連合会主催のシンポジウム「実現させよう!公益通報者保護法の実効的改正」では、公益通報者の代表として講演し、16年前の公益通報をきっかけに金沢大学側から繰り返し報復を受けてきた自らの体験を語り、罰則がないため報復に歯止めがかからない保護法の欠陥を指摘した。

小川氏
 

その小川氏が2月22日、金沢大学から懲戒処分(4月1日から3ヵ月間の出勤停止)を受けた、と報じられた。地元テレビ局の石川テレビが大学の発表として報じたところによると、処分の最大の原因は小川氏が「去年7月中旬から9月までの間にあった学長からの複数回の呼び出しに応じなかった」こと。その他、大学事務局からのメールを開封しなかった、過去数年間、事務職員に厳しい要求を繰り返し強圧的な言動を行っていたといったことが処分理由とされた。

これとは別にMRO北陸放送がインターネット版の見出しで小川氏の実名を載せて「懲戒免職」と報じたが、これは明らかな誤りだった。

公益通報を巡り金沢大学と小川氏が10年以上にわたり係争中なことは地元では周知のこと。2017年には小川氏が大学側に勝訴したことを地元新聞などが報じている。ところが2社は係争中の一方の大学側の発表のみを載せ、処分を受ける側の小川氏に取材せず、反論も載せなかった。2社は、その日のうちにこの処分に関するネットニュースを削除した。

今回の処分の妥当性については後で検証するとして、まず、裁判で証拠採用された客観的資料などを元に、公益通報を巡る小川氏と金沢大学の対立の経緯を振り返る必要がある。そうでないと、今回の懲戒騒動の本質は分からないからだ。

(詳しい経緯は「現代ビジネス」2020年12月12日『金沢大学医学部「公益通報」を握り潰され、報復を受けた准教授の「実名告発」』参照)

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