「核の使用」もチラつかせるプーチンが、米欧に突き付けた「本気の脅迫」の中身

これは「コケ威し」などではない…

「ロシアは最強の核保有国」

ウクライナ侵攻に踏み切り、国営テレビを通じてロシア国民向けに「ウクライナ政府によって虐げられた人々を保護するため、『特別な軍事作戦』を実施することを決定した」と演説し、正当性を訴えたプーチン大統領。同じ演説の中で「ロシアは、ソ連が崩壊したあとも最強の核保有国の一つだ。ロシアへの直接攻撃は、敗北と壊滅的な結果をもたらす」と述べ、核使用をちらつかせて米欧を強く牽制した。

侵攻直前の19日には戦略核兵器を使った「戦略抑止力演習」に踏み切り、相対的に威力の小さい戦術核兵器まで動員しての大規模な演習を実施した。戦略抑止力演習はロシアの訓練年度(12月1日~翌年11月30日)の終盤に当たる毎年秋に実施しており、2月の実施は異例だ。

ウクライナ直前、ロシアが行った核兵器を使った戦略抑止力演習(防衛省の資料より)
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演説と核演習を通じて、ロシアと戦うならば核兵器を使うと脅したに等しく、この論法が通るならば、核保有国であれば、国際法違反の軍事侵攻に踏み切るハードルが下がることになる。足並みが乱れ、効果的な対抗策を打ち出せずに来た米欧の迷走ぶりは、力による現状変更の試みを続ける核保有国・中国の習近平国家主席に自信を与え、台湾を武力統一するシミュレーションを深める絶好の機会となった。

これまでも「予兆」はあった

プーチン大統領の「核大国発言」は今回が初めてではない。

2014年にウクライナのクリミア半島を実効支配した後に「ロシアは最も強力な核大国だ」と発言。翌15年、国営テレビ番組で「クリミアの状況がロシアに不利に展開した場合、核戦力を戦闘準備態勢に置く可能性はあったか」と問われ、「われわれにはそれをする用意があった」と明言した。

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