「焦る」プーチンが、ウクライナ「ゼレンスキー大統領」に迫る「難しい判断」
この戦争に落としどころはあるのか…?ついにウクライナに侵攻し、ロシア・プーチン大統領は「戦争」を選択した。前編記事『プーチン、じつはウクライナと「全面戦争」をしたくないワケ』では、そんなプーチンが首都キエフを攻撃するその真意についてレポートした。では、プーチンが仕掛けたこの「戦争」の落としどころはあるのか、いったいいつまで続くのか――ロシアとウクライナの最新事情をレポートする。
なぜ「ミンスク合意」がキーワードになるのか…?
ウクライナ問題を理解するために、避けては通れないのが、「ミンスク合意」です。
ミンスク合意とは、2014年に発生した「クリミア危機」後の停戦協定です。
今回の攻撃開始直前、プーチン大統領は「ミンスク合意はもはや存在しない」と語っていました。
つまり、停戦協定が破られた以上、戦争状態に戻らざるを得ない、とロシアは解釈しているのだと思われます。
では、その「ミンスク合意」とは、どのような内容なのでしょうか。

2014年、当時のウクライナ大統領ヤヌコヴィッチ氏は、EUと通商協定を調印しようとしていました。
ただ、プーチン氏の圧力によって、調印を見送りました。ヤヌコヴィッチ氏はもともと親ロシア派の多いウクライナ東部の出身です。自身もロシアと関係が深い親ロシア派で、プーチン大統領のコントロールを受けやすい立場だったのです。
一方、EU加盟を期待していたウクライナ市民は、これに失望しました。その結果、首都キエフで大規模なデモが発生し、ヤヌコヴィッチ政権は崩壊します。