2022.03.28
# ビジネス

リーダーは強くなくていい…チームの「心理的安全性」をつくる「7つの行動」

「強がりの仮面」を外してみよう

リーダーにとって、もっとも重要な能力はなんだと思うだろうか? 「強さ」でも、「厳しさ」でも、「頭のよさ」でもない。近年、ビジネスの世界で重要視されているのは、場の「心理的安全性」をつくる能力である。

そこで、起業家・経営学者で、著書『だから僕たちは、組織を変えていける』を出版した斉藤徹氏に、「心理的安全性」をつくる7つの行動と、「心理的安全性」を壊す4つの行動、それぞれについて解説してもらった。

「心理的安全性」がいかに重要か

「心理的安全性(Psychological Safety)」というキーワードは、1999年に経営学者エイミー・エドモンドソンの論文で発表されたものだが、その論文の引用は年々増えており、さまざまな視点で多角的な研究が行われている。

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心理的安全性による効果が確立された研究例は多く、これまでに、チームの業績向上、イノベーションの創出、プロセス改善の創出、意思決定の質的向上、知識共有の促進、組織学習の促進が実証されている。

医療現場での研究も進んでおり、心理的安全性が高いと習熟が早く、手術の成功率が高いこともわかってきた。近年では、プロジェクト・アリストテレスの成果がさまざまなメディアで取り上げられたことで、ビジネス界でも注目ワードとして広がってきた。

場の心理的安全性に最も大きな影響力を持つのは、その場におけるリーダーである。ここでいうリーダーとは上司や指導的な立場の人物など、そのチームにおける権威者を指す。そして多くの場合、場のリーダーは心理的安全性に悪影響を及ぼしているのだ。

ひとつの理由は、リーダーは「メンバーの行動を評価する役割」を持つことが多いからだ。例えば、エドモンドソンは、世界の職場において共通した「職場で言ってはいけない暗黙のルール」があるとした。

・上司が手を貸した可能性のある仕事を批判してはいけない。

・確実なデータがないなら、何も言ってはいけない。

・上司の上司がいる場では、意見を言ってはいけない。

・他の社員がいるところで、ネガティブなことは言ってはいけない。

これらの多くは上司の面目を潰さないためであり、さらに言えば、いい評価、いい人間関係を維持するための防衛本能だ。実際の職場では、組織で賢く振る舞う知恵として、暗黙的に奨励されていることも少なくない。

 

そのために、上司と部下には「発言と沈黙の非対称性」が生まれてしまう。上司は「何でも言える」と感じているが、部下はいろんなことを気遣っている。上司には部下の不安が見えないのだ。

特に、優秀な成績をあげて、挫折を知らずに高い立場についた上司は、部下に厳しい言動をする場合が多く、無意識に場の安全性を壊しているケースが多い。優秀なリーダーは、自分を律することで成績を上げてきた成功体験を持っており、そこから「組織も厳しく律すれば成果を出せるはず」と思ってしまいがちだからだ。

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