2022.02.27
# 企業

「閉店セール」後も営業継続…違法にもなりうる「閉店商法」へのモヤモヤ感

どこが問題なのだろうか?
細川 幸一 プロフィール

消費者庁HPの「表示に関するQ&A」のQ42で、「閉店セール」と称したセールを長期間実施することに問題はないかとの質問に対し、以下の回答をしている(筆者要約)。

「閉店セール」と称して、在庫商品を処分するために通常販売価格等よりも安い価格で販売を行うことがあり、このような処分セールに係る表示は、一般的には閉店までの「一定期間のみ特別に値引きが行われている」という認識を一般消費者に与える。

しかし、実際には閉店し、廃業する予定がなかったり、閉店する時期が確定していないにもかかわらず、「閉店セール」と称したセールを長期間行っているような場合には、あたかも「今だけ特別に値引きが行われている(購入価格という取引条件が著しく有利である)のではないか」という誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある。
 

しかし、ここでは閉店セールの期間についての違法性判断基準は示されていない。なお、景表法では、消費者を誤認させる意図がなく、過失(うっかりミス等)による場合であっても消費者が誤認する表示は違法とする。

今回のAOKIのケースは、閉店セールを長期間続けているということではなく、「完全閉店セール」を実施しながら閉店中止を表明し、通常営業を続けているというめずらしいケースで、景表法の有利誤認にあたるか否かは消費者庁の判断による。しかし、こうしたことが一度あると、消費者は今後、その企業の同様な広告を信用しなくなる可能性は否定できない。

その意味で、この件は企業の消費者志向マーケティングを考える事案とも言えるし、消費者が自分自身のwantsが本当に自分のneedsであるのかを考えるきっかけとなる話題でもある。

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