2022.02.25

岡田晴恵氏が田村厚労相とのやりとりを明かした「衝撃の記録」、その強烈なメッセージ

山岡 淳一郎 プロフィール

つまり、厚労省側の会合では警鐘を鳴らす言質を残し、内閣官房の集まりでは経済イケイケに同調して口をつぐむ。極めて政治的に動く専門家の姿が浮かび上がってくる。

2021年8月、デルタ株の感染拡大で、あちこちで医療崩壊が起き、40代、50代の働き盛りの患者が亡くなった。岡田氏は、電話で田村厚労相に強い口調で申し入れる。

「まず、早くカクテルを外来でやれるようにしてください。何とか東京都を説得して、集約的医療施設、措置病院をつくってください。私はテレビの解説で福井の体育館を使った病床確保を紹介しました。福井は地方のコロナ医療の一例を示したのです。モデルケースができると他の自治体も横並びになります」

 

田村厚労相は、小池百合子東京都知事に掛け合い、集団医療施設の立ち上げを認めさせたという。が、しかし……オミクロン株の感染拡大で、連日、全国で200人以上の患者が亡くなっている現在も、東京には集団医療施設はない。大阪で中等症患者用の大規模医療・療養センターが2月15日に始まったところだ。

『秘闘』は、感染症ムラをオブラートに包まず、ありありと描いた。そこにドキュメントとして後世に残す大きな価値があり、岡田氏の並々ならぬ覚悟が伝わってくる。

関連記事