2022.02.25

岡田晴恵氏が田村厚労相とのやりとりを明かした「衝撃の記録」、その強烈なメッセージ

山岡 淳一郎 プロフィール

私がありありと覚えているのは、2020年12月25日の尾身氏と菅義偉首相(当時)が並んで行った記者会見だ。

4日前に、感染急拡大、死亡者の増加を受けて、日本医師会や日本病院会など9団体が「医療緊急事態宣言」を出していた。記者から首都圏に緊急事態宣言を出す可能性を訊かれた菅首相は「尾身会長からも、いまは緊急事態宣言を出す状況ではない、こうした発言があったことを承知しています」と答えた。

補足を促された尾身氏は、「急所(飲食での感染リスクの抑制など)が十分に押さえられていないのが、感染拡大の原因と思います。国と自治体が一体感を持ったメッセージを出してもらって、国民、みんなが同じ方向に向かうことが一番求められている」と述べ、緊急事態宣言の説明をはぐらかした。

個人的には、ここが大きな「分岐点」だったと思っている。死亡者を急増させるか否かの分岐点である。年が明けた2021年1月8日、政府は慌てて2度目の緊急事態宣言を出す。そこから宣言を出しては解除し、感染が拡がるとまた宣言という「ハンマー&ダンス」をくり返す。

 

重鎮が役職を掛け持つ

ともに古希を過ぎた尾身氏と岡部氏は、内閣官房の諮問組織だけでなく、厚労省に助言する専門家グループ「アドバイザリーボード」のメンバーでもある。両氏は、官邸と厚労省を行き来している。それだけ重宝されているのだろうが、役職の掛け持ちはポジショントークの余地を与えているともいえる。

岡田氏は、『秘闘』に田村厚労相の発言を次のように記している。

「尾身先生が、それまで『大丈夫だ』と言ってきたのに、急に『ヤバい、危ない』と言動を変え始めたのは1月頃(2021年)だった。分科会ではなく、厚労省のアドバイザリーボードでの発言が先だった、こっちでばかり言っていた。分科会では言わないんだ。尾身先生たちは分科会もアドバイザリーボードも両方入っているけれど、その手の発言をするのはアドバイザリーボードだけだった」

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