2022.02.25

岡田晴恵氏が田村厚労相とのやりとりを明かした「衝撃の記録」、その強烈なメッセージ

山岡 淳一郎 プロフィール

「延々とこの国の組織や制度が作り上げてきた巨大で強固な壁」とである。

私も医療や行政の現場と政治の動きを取材していて、「巨大で強固な壁」にぶつかることは再々あった。たとえば、ウイルスのゲノム解析の情報を国や都道府県から集めようとしても「公にすることにより、(略)、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼす」(東京都情報公開条例第7条)などを理由に拒絶される。ゲノム情報がなければ、いつ、どこから変異ウイルスが拡がったかわからず、対策の評価もできない。

あるいは、PCR検査の抑制策に対して、当初、「厚労省と専門家ら」は「検査容量の不足に加え、検査希望者が病院に殺到することによるクラスター発生のリスクを強調して検査限定方針の正当性を主張」した(新型コロナ対応・民間臨時調査会 調査・検証報告書)。

その後、無症状感染者を見つけるための検査拡充、陽性者の保護・隔離が重要だと多くの医学者やメディア関係者が唱えても、検査限定の基本方針は変わらなかった。いまや検査不足を追認し、検査しなくても医師の判断で陽性となる有様だ。検査限定の根底に「行政検査による検査権と既得権益の維持」があったと考えられる。

 

感染症ムラの実態

では、その既得権益とはどのようなもので、それを守ろうとするのは誰か。

既得権益を守ろうとしているのはいわゆる「感染症ムラ」である。厚労省-国立感染症研究所(感染研)-地方衛生研究所(地衛研)・保健所、関連する大学研究室などで構成されるコミュニティだ。ムラの中心にある感染研は独立行政法人ではなく、厚労省大臣官房厚生科学課に属し、健康局結核感染症課の下に置かれている。ゲノム情報などは感染研が集める。行政検査にしておけば、大切な基礎データはすべて感染研の掌中に入る。

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