美容業界において現在、トレンドとなっているのは、クリーンビューティ、エシカルビューティといったサステナブルな概念。これらの概念が浸透するまでには、たくさんのブランドや人の影響がありました。改めてその変遷を辿ってみると、社会情勢との繋がりも見えてきます。そして今後、サステナブルビューティが向かう先とは? 美容業界の動向を見守り続けてきたビューティエディターの安倍佐和子さんと、サステナブルビューティヒストリーを紐解いてみました。

お話を伺ったのは……
安倍佐和子
化粧品会社、出版社勤務を経て独立。現在は女性誌、広告、講演などで幅広く活躍。認定ホメオパス、フィトテラピーアドバイザーの資格を有し、メイクアップからスキンケアサイエンス、ホリスティック系まで得意分野は幅広い。P132~139のディレクションも担当。著書に『人と比べない美人力の磨き方』(講談社)がある。
Instagram:abesawakobeauty
Twitter:@abesawako

1980年頃~
欧米よりオーガニックコスメが日本に上陸。

既成概念への反発から、世界中でカウンターカルチャーが席巻。精神的な豊かさや自然回帰が求められるようになるなかで、日本にもエコロジーやオーガニックという概念が浸透していく。そしてオーガニックコスメのパイオニアと言えるブランドが次々と上陸。1976年には、スイスで1921年に創業したヴェレダが、1985年にはイギリスからニールズヤードが、1997年にはオーストラリアからジュリークが上陸した。

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1990年代
アメリカにもオーガニックコスメのブームが。

オーガニックコスメの先進国はドイツ。遅れをとっていたアメリカも、90年代に入ると東海岸のモード界から波が始まる。1994年にはジョン・マスターがニューヨークのソーホーに世界初の「クリーンエアサロン」をオープンし、〈ジョンマスターオーガニック〉をスタート。

1990年代後半
ホリスティック美容が話題に。

ホリスティックとは、1920年代から使われ始めた“全体的な調和”や共生、循環ということを表す哲学用語。その考え方を医療に生かし、自然治癒力を引き出して高めることを基本とするホリスティック医療(統合医療)を提唱した第一人者が、アメリカの医学博士であり、薬用植物の世界的権威であるアンドルー・トーマス・ワイル博士。美容にもその概念が取り入れられ、見た目だけでなく内側からも美しさを引き出した、心身ともに健康的な美が注目されるように。2006年には、博士とコスメブランドが共同展開するスキンケアブランドも発売され、人気を博した。