ロシアがウクライナ東部2州「完全属国化」…! 日本はどう行動すべきか

尖閣を狙う中国に対抗するために
北野 幸伯 プロフィール

ロシアの要求と「独立承認」の関係

ロシアは、昨年11月から、ウクライナとの国境付近に10万人の大軍を集結させていた。そして、プーチンの要求は、「ウクライナをNATOに加盟させない法的保証」だ。

当然、米国とNATOはこの要求を拒否している。そのことと、「ルガンスク、ドネツクの国家承認」「平和維持軍派遣」は、どういう関係があるのか?

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プーチンの目的は、「ウクライナのNATO加盟を止めること」だ。

1991年12月、ソ連が崩壊したとき、「反ソ連軍事同盟」NATO加盟国は16だった。それが、どんどん拡大をつづけ、今では30ヵ国にまで増えている。かつてロシア(ソ連)の勢力圏だった東欧だけでなく、ソ連の一部だったバルト三国までNATOに加盟している。

さらに西の隣国ウクライナがNATOに入れば、NATOは「5分でモスクワを破壊できるようになる」というのがプーチンの主張だ。

プーチンは、ウクライナのNATO加盟を阻止したいが、米国、NATOから「不拡大の法的保証」を得ることはできなかった。

では、ルガンスク、ドネツクを国家承認し、平和維持軍を送ることの意義は?

プーチンは、これらの地域を完全属国化することで、「ウクライナの不安定を維持したい」のだ。

なぜか?

 

NATOには「集団防衛義務」がある。仮にウクライナがNATOに加盟したとすると、その後、ウクライナが「自国領」と考えているルガンスク、ドネツク奪還に動けばどうなるだろうか?

当然、バックにいるロシアとの戦争になる。そうなると、全NATO加盟国が、自動的にロシアとの戦争に引きずり込まれることになる。

「ロシアと戦争したい」欧州の国はないだろう。だから、プーチンは、ルガンスク、ドネツクを「前線基地化」して、ウクライナを不安定に保つ。それによって、「ウクライナのNATO加盟を阻止できる」という読みなのだろう。

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