待ったなしの環境問題に対して、世界はどのように行動しているのでしょうか。海や森の汚染問題、カーボンニュートラル、プラスチック、リデュースとリサイクルなど、様々な問題への国内外の最新の解決策から、未来へのヒントを見つけたいと思います。今回は、アメリカとドイツの取り組みをご紹介します。

-AD-

【ドイツ】Atmosfair
再生可能エネルギーによるジェット燃料

ドイツのヴェルテに建てられた〈atmosfair〉の施設。航空機用の合成原油を生産する装置とコンプレッサー、原油タンクなどがある。

2021年秋、ドイツ北西部にCO₂ニュートラルな飛行機の燃料「eケロシン」の原料を生産する世界初の施設が完成した。この燃料は、二酸化炭素と水を原料として作られ、飛行機を改造することなく既存の航空インフラで給油して利用できる。

バイオガスプラントで有機物を分解すると、高濃度の二酸化炭素とコンポスト化された植物によって結合させた液体が精製され、これがeケロシンに。

代表のディートリッヒ・ブロックハーゲン。

また、施設全体も風力とソーラーの再生可能エネルギーによる電力発電で運営されている。二酸化炭素排出量の高い飛行機の移動が物議を醸しているいま、期待できるパイオニア・プロジェクトだと、メルケル前首相も賞賛。このイノヴェーションによって、航空業界のさらなる進展を期待したいところだ。

www.atmosfair.de/en/

【ドイツ】PAPILIO
若きプロダクトデザイナーによる、風力発電の街路灯

ラテン語で蝶を意味する〈PAPILIO〉。Nikolai Marcinowski

ドイツだけでも、街灯は年間約250万トンものCO₂を排出するという。そこで、ベルリン芸術大学のトビアス・トルベンバッハーは大学の卒業制作で、街灯のエネルギー消費や光害の問題に挑み、赤外線センサーで人が通る時にだけ点灯し、風力発電によりエネルギー消費を軽減する街灯を考案。

グリーンのプロペラが風によって回り、風力発電を行う。Nikolai Marcinowski

光害から人だけでなく環境全てを守るべく、昆虫にも優しい光の波長を使用し、生物多様性にも考慮する。

名前には、夜行性昆虫を保護したいというデザイナーの願いが込められている。Nikolai Marcinowski

デザイン性の高さに加え、都市化や気候変動により風が強まるネガティブな産物も逆手に取るなど、たくさんのセオリーが詰まった〈PAPILIO〉は様々なアワードを受賞。

Nikolai Marcinowski

若きデザイナーによる美しいアイデアが世界で実用化される日が待ち遠しい。

tobiastruebenbacher.com