2022.04.05
# 相続
地方の空き家を棄てられない…!40代男性が思わず唖然とした「相続放棄」の罠
父親から地方の実家を相続したKさん(40代男性)。けれども前編でお話したように、実家に戻って住む選択肢は100%ないと言います。空家の実家と田畑や山林は、とにかくいらないのです。
価値のある土地ならば大歓迎となるのですが、その土地は歓迎できない状況だったといいます。どういうことでしょうか――。
相続評価は1000万円近くもあるのに
というのも、Kさんの実家周辺は市街化調整区域というエリアの中にあり、基本は家が建てられないところなのです。家が建てられない地域は路線価評価ではなく、倍率評価をします。農家の家や昔から建っている家だけが特別に宅地となっていても、利用が制限されるため、一般的な流通がしにくい地域となります。
実家の土地は200坪あり、固定資産税評価の1.1倍すると230万円、建物は母屋、物置、車庫など4棟あり、220万円。合わせて実家の土地、建物の評価は450万円となります。
そのほか、田、畑、山林、雑種地などがあり、固定資産税評価額を基本に倍率をかけて出しますと、相続評価は500万円ほどになります。実家と合わせると950万円ほどとなります。

父親が遺した預金の500万円よりも、相続評価は高いのですが、そもそも姉もKさんもと実家に戻って住む選択肢はありませんし、田畑や山林を利用する予定もないのです。