美しさとは、限られた人だけが持っているものではありません。美しくあることに年齢、容姿、性別などは、なにも関係ない。美しさには正解も、基準もない。自分らしさを発信する著名人に、それぞれが思う“美”について伺いました。今回お話を伺ったのは、東京パラリンピックに出場したアスリートの前川楓さんです。

前川楓(まえがわ・かえで)
1998年三重県生まれ。アスリート。2012年に交通事故に遭い、右脚の大腿部を切断。14年から競技生活を開始。16年にリオデジャネイロパラリンピックに出場。21年の東京パラリンピックでは、走り幅跳びで5位に入賞。イベントなどにも参加し、義足の魅力を発信している。絵本作家としてもデビューし、義足の犬を主人公にした『くうちゃん いってらっしゃい』(白順社)を21年12月に発売。
Instagram:@k_s1082

「義足ってかっこいい!」
その魅力を体現して生きる

2021年に開催された東京パラリンピックに出場し、走り幅跳びでダイナミックな跳躍を見せた前川楓さん。カラフルな髪色が印象に残っている人も多いだろう。

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「東京パラリンピックは、自国での開催ということでとても気合が入っていました。私のことをはじめて知ってくれた人に、パラ陸上や義足にも興味を持ってほしいと思ったので目立つように髪を虹色に染めました。美容院で5時間半かかりました」

Instagramで練習や日常の様子を発信中。髪型やネイルも変えるたびに、アップしている。

元気いっぱいの笑顔で笑う前川さん。彼女は、中学生のときに交通事故に遭い右脚を切断する大怪我を負ってしまう。事故から一年経ったあと、義足での生活がはじまった。

手術をすることになったとき、不安が大きかったのでインターネットで情報を集めました。そのとき義足モデルのGIMICOさんをみつけて『かっこいい!』と衝撃を受けたんです。義足生活になったら、それを隠さずに見せて生きていこうと決めました」

練習中の前川さん。試合前に髪色を変えるのは、自分を鼓舞するための大切な習慣。

予期せぬ事故によって人生が大きく変わってしまったが、すぐにSNSでロールモデルをみつけ同じ境遇の仲間たちとも出会った。彼らが、走ったり、泳いだり、旅行をしたり、いきいきと生活している姿を見て「私もいろんなことに挑戦したい」と自分の境遇を受け入れることができたという。