2022.02.23
# 日本株

バフェットと孫子を並べて分かった、「戦わずして勝つ」という投資の極意

売り手が頭を下げている時を狙え
大原 浩 プロフィール

売買という「戦闘」も避けるべし

それでは、バフェットが「売買」という「戦闘」を避けるのはなぜか。やはり「売買」には大きな犠牲が伴うからだ。

バフェットが具体的に上げるのはまず「手数料」である。最近はネット取引でかなり手数料が安くなったが、それでもデイトレードのように売買を繰り返せば、累積する手数料は馬鹿にならない。

次に、ビッドとオファーの差である。要するに株式の売買は、出会い値では無く、売値または買値でしかできないということだ。例えばトヨタ自動車の株価を買うときには、2160円の売値(仮定の価格)でなければ買えないが、売るときには2159円という1円安い買値でしか売れないということである。

ごくわずかの差だが、これも積もれば無視できない。

そして、最も大事なのは「売買(戦闘)」を数多くこなすほど、1回あたりの売買に対する「集中力」が低下するということである。軍隊であれば軍団の人数を増やすということもできるが、投資の場合は「個人の判断」がベースである。人間の手足は2本ずつ、頭(脳)は1つしかないから、「売買」をたくさんすればするほど1回あたりの売買に対する集中力(費やす時間)が減少するのは必然である。

バフェットに言わせれば「たった1回の売買で成功できないのであれば、それよりも集中力が劣った多数の売買で成功できない」ということだ。

 

言い換えれば、バフェット流は「一度保有したら売買(戦闘)をしない」という「戦わずして勝つ」戦略であるが、どうしても新たに売買しなければならない時には、「必ず勝つ=一撃必殺」を目指すのである。

孫子も、「戦わずして勝つ」のが理想だがどうしても戦闘を起こさなければならない時には「一撃必殺で必ず相手を倒す」ように戒める。逆に言えば「負けるかもしれない」戦闘は絶対にするなということだ。バフェット流でいえば「絶対に損をするな」である。

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