2022.02.23
# 日本株

バフェットと孫子を並べて分かった、「戦わずして勝つ」という投資の極意

売り手が頭を下げている時を狙え

孫子はビジネスだけではなく投資にも役立つ

「孫子」(孫子の兵法)は、あまりにも有名で、古今東西の軍人が兵法書として愛用しただけではなく、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏など世界中の経営者が愛読しているビジネス書としても有名である。

私は、この「孫子」が投資の「指南書」としても大いに役立つと考えている。自分一人で「市場という巨大な敵」に立ち向かわなければならない投資家はまさに「孫子」が述べる「小国」だ。「小が大に勝つゲリラ戦術」は、(一般の人々の)投資の基本とさえ言える。

投資の神様ウォーレン・バフェット、マネジメントの権威ピーター・ドラッカー、競争戦略の第1人者マイケル・ポーターの3人については、「孫子」を読んだことがあるのかどうかはわからない。だが、彼らの述べる内容は、実のところ「孫子」に通じるものがたくさんある。

ウォーレン・バフェット  by Gettyimagews

詳しくは、拙著「孫子と3賢人のビジネス」を参照いただきたいが、今回はその中からバフェットとの関りを中心に重要点を解説する。

 

基本は戦わずして勝つ

孫子の最も有名な戦略は「戦わずして勝つ」というものである。まるで魔法のような話だ。

戦闘を一切しないのに、「相手が勝手に負けてくれる」わけだから、こちらの損害はゼロである。こんなに素晴らしいことはない。

もちろん、そのためには、「兵法」という「知略」が極めて重要である。また、孫子は武力による戦闘ではなく、スパイを駆使した情報戦・諜報戦に重きを置いている。この考え方は、サイバー戦争が極めて重要な位置を占めている現代にも通じる考え方だ。

そして、この考え方は投資に直接的に応用できる。

バフェットは「売買回数が少なければ少ないほど良い」と述べるが、「売買」を「戦闘」だと考えれば、「孫子」の言葉とピタリと一致する。

孫子が「戦闘」を極力避けるのは、それが大事な国民の命を奪うだけではなく、国家の財政にも大きな負担となるからだ。大規模な戦闘を続ければ、経済力の大きな大国に有利に働く。

例えば、日本の開戦の是非は別にして、「真珠湾奇襲攻撃」は、小国が大国に勝つ戦略として優れていた。もちろん、「戦わずして勝つ」のが最上の戦略だが、どうしても戦わなければならないのであれば、「短期決戦」を選ぶべきだ。

ところが、「戦闘」というものは相手が必ず存在するから、こちらの思い通りにはならない。1941年12月8日の開戦から1945年8月15日までの長期戦となり、米国に惨めな敗北を喫した。

そして莫大な戦費が国債で賄われ、昨年10月25日公開「日本は外国に借金していないからデフォルトしないというのは本当か?」で述べたように、巨額の財政赤字によって国債が事実上紙切れとなり、国民に負担が押し付けられる結果となった。

SPONSORED