2022.02.25
# ビジネス

昇進したら残業代も手当もつかず「働き損」?30歳で管理職になった会社員の「大誤算」

管理職への昇進は、一般的には「めでたいこと」だが、現実はそうでもないらしい。本記事では、社会保険労務士で企業の労務管理を得意分野とする木村政美氏が、主任に昇進してから仕事が激増、にもかかわらず給料が下がったという会社員のケースを紹介。「役職貧乏」の悲劇から身を守るために、知っておくべき知識をお伝えする。

若くして主任に昇進したものの……

A村さん(30歳・男性、仮名=以下同)は大学を卒業後、就職した機材の製造・卸売業を営む会社で営業を担当している。営業成績は常に社内でトップクラス、後輩の面倒見も良く職場のメンバーからは慕われていた。

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そしてその様子を常々感心していたB城営業課長(40歳・男性、以下「B城課長」)の肝いりで、昨年8月A村さんは営業主任に昇進した。

主任になったA村さんは、いきなり後輩10人のまとめ役として現場指導にあたることになった。B城課長の説明では、これまでA村さんが担当していた職域を2割減らし、主任としての業務時間を確保することと、給料面では基本給の変更は4月の定期昇給まで行わないが、8月から主任の役職手当として月3万円が上乗せされるそうだ。

A村さんには2年前に結婚した妻と生まれたばかりの子供がおり、これから益々生活費がかかるので、主任になり給料がアップすることを妻に話すととても喜んでくれた。

その後のA村さんは、部下とのコミュニケーションにも問題はなく、B城課長の指示を受けながら主任として順調に業務をこなしていた。ところが10月中旬、思いもよらぬことが起きた。

 

A村さんの部下の1人であるC竹さん(26歳・男性)が大口取引先の新規開拓に成功し、10月下旬に先方の社長や上級管理職約30名を集めて、取扱商品の使用方法についてのプレゼンを行うことになった。

本来、プレゼンに使うパワーポイントの資料や仕様書などの付属書類は営業担当者が作成することになっているが、今回はプレゼン日までの時間がない上に、作成する資料や書類数も多いため、B城課長の命令でA村さんがその準備を担当することになった。

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