2022.02.22
# 東証

「小さな東芝」を増やすのは無意味…「東芝分割」計画修正で問われる「成長への覚悟」

去る2月7日、東芝は昨年打ち出した会社の3分割計画を修正、改めてデバイス事業だけをスピンオフさせ、インフラサービスは東芝本体に残すとする2分割計画を発表し、世間を驚かせた。

前編〈東芝は「分割が必要」と知りつつ、なぜ変われなかったのか?変化を邪魔した「悪しき合理性」〉では、そもそもなぜ日本では東芝のようにコングロマリット化する企業が増え、そのままの形で維持されてきたのか、その「共犯者」を明らかにした。

後編の本稿では、東芝と「投資家」の思惑を突き合わせながら、僅か3ヶ月で分割計画を修正した意味を考えていく。

3分割では「小さな東芝」が増えるだけ

さて、東芝が3分割の計画を2分割の計画に修正した際、最初に提示された説明から大きく変わったものが、幾つかある。それが、まさに物言う株主が最初に提示された計画で満足いかなかった箇所であるのは容易に推察できるだろう。

その一つが株主還元の総額で、当初案では今後2年間で1,000億円とされていたものが、空調子会社、東芝キヤリアなどの売却も原資として3,000億円に積み増されている。

Photo by Gettyimages
 

その背景にあるのは、自身の期待する成長に対し当該企業が投資機会を見出せないのであれば、当然ながら出資した金額を還元してほしい、という投資家のロジックだ。投資家は還元された資金を、他の成長機会を持つ企業に投資し、資金を成長させることができる。ポートフォリオの組成主体はあくまで投資家なのだから、それは当然の要求だろう。

報道では会社側はこうした子会社の売却と株主還元総額の積み増しとは別のものだ、と回答しているが、お金に色がない以上、報道サイドの解釈には一定の妥当性がある。そしてまた、そこから浮かび上がるのは、11月12日に提示された東芝の計画が、スピンオフすることでそれぞれがより速やかな成長を果たせると語るほどに、投資家の支持を受けなかった、という事実でもある。

実際、当時の論評に、会社を分割しても小さな東芝が増えるだけだ、というものがあったと記憶するが、そうであるならば、投資家が資金を還元してほしいと思うのは当然だろう。

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