食べて飲んだら出るのは当たり前

体重維持のお話をしている時に、いつも頭の片隅にあってワンセットで話したくなっていた項目が「排泄の話」でした。単純に食べたものが栄養となって身体に蓄えられて、体重になります。当然、体重を維持するために一生懸命食事をとります。そうすると必ず起こることが「排泄」なのです。この普通なら当たり前のことが、ALSを始めとした「排泄に介助が必要な人」には大変な事なのです。

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私はもともと快便のタイプでした。朝起きてコーヒー飲んで排便して仕事に出かけるという感じで、ALS罹患前も概ね10年以上そのルーティーンでした。たとえ自宅で出なくとも、出先のトイレで午前中のうちに済ませてしまいます。よく聞く「自宅のトイレでないと落ち着かない」という事もなく、たいていのトイレでの排便がOKのタイプでした。

ほとんど毎日1回の排便をノンストレスでトイレでおこなってきたのです。ところがこの行為の全てを、ALS罹患者はいずれ誰かにやってもらう必要があるのです。ALSの進行において、罹患者の多くが最後まで頑張って自分でやろうとすることが「排泄行為」だと思います。体重を維持しようとする気持ちの前に立ちはだかってくるのが、ここになるのです。食べたり飲んだりしたものすべてが体に吸収されるわけではありませんから。

体重を維持するために一生懸命努力をしていきます。できれば身体に良いものを摂っていこうと、工夫を凝らした食事や飲み物を積極的にとっていきます。そして体質を良い方に改善していくための情報で自分にあったものを試していきます。とても大切なことですし、これによって身体が健康になっていきます。ところがこの素敵なことに、悩ましい問題が乗っかってくるのです。

「健康な体になると、健全な排泄行為がセットになってくるのです」

お分かりいただけますでしょうか?健康ということは痛みなどの違和感や体の不具合がないのと同時に、問題のない排泄があるということなのです。ALSに罹患して対症療法で根本的な健康を目指していくと「健全な排泄」を体感していくことになるのです。

2019年の12月、リハビリ中にPTさんと。この時はまだいろんな「手段」がありました 写真提供/津久井教生