プーチンが「世界中を油断」させたウラで進めている、「ウクライナ侵攻準備」の実情

北京五輪の閉会後、ついに動くか?

「戦争は事実上、始まった」

ウクライナ情勢が一段と緊迫している。「戦争は事実上、始まった」とみてもいい。ロシアは、すでに「情報戦とサイバー攻撃に着手した」とみられるからだ。ウラジーミル・プーチン大統領が最後の局面で軍事攻撃の回避を決断する可能性も残ってはいるが、私は悲観的だ。

2月17日の各紙が報じたように、ウクライナ政府は15日、国防省や軍のサイト、大手銀行、公的金融機関などが大規模なサイバー攻撃を受けた、と発表した。誰の仕業か不明だが、ウクライナはロシアの関与を疑っている。タイミングからみて、その可能性は高い。

米国はかねて、ロシアが流布する「偽情報」について5つの類型を例示するなどして、強い警戒感を示してきた。現代の戦争において、サイバー攻撃と偽情報の流布は、軍事攻撃の前段とみられている。

ロシアのプーチン大統領[Photo by gettyimages]
 

とりわけ、私が注目したのは、2月12日からの展開だ。

米国のジョー・バイデン大統領は12日、プーチン大統領と会談して「もしウクライナに侵攻すれば、米国は同盟国や友好国と連携して、ロシアに深刻な代償を払わせる」と警告した。一方、米国務省はウクライナの首都、キエフにある米大使館に対して大使館員、約200人の退避を指示した。

戦争前夜を思わせる緊張感が漂った同じ日、ロシアのウクライナ侵攻は「2月16日」と特定した記事がネットを駆け巡った。米国の政治専門サイト「ポリティコ」が12日、米政府関係者の話として「ロシアが2月16日に侵攻する可能性がある」と報じたのだ。

アントニー・ブリンケン米国務長官は11日、ロシアの侵攻は「北京冬季五輪の開会中を含めて、いつでも始まる可能性がある」と語っていた。長官発言やポリティコの記事は、衛星画像や通話傍受などによる情報機関の分析が基になっていた、と思われる。

実際には、16日に侵攻はなく、結果的に「16日侵攻説」は誤りだった。だが、問題は「なぜ、そんな情報が流れたか」である。私は「ロシアが緊張を高める狙いで、意図的に流した」とみる。ロシアは戦争を煽った。そして、米国はそれに踊らされた形になった。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら

関連記事