まず3月の前兆に注目―過去半世紀5回のジンクスから見た日銀利上げ

欧州が動けばカラータイマー点滅

日本の出口はいつも最後だった

筆者は長年にわたり金融政策について、次の図表1にある日米欧の金融政策の連動、つまり「5回のジンクス」を議論の題材としてきた。それは、1970年代に為替が変動相場制に移行し日米欧の金融市場が一体化するなかで生じた、日米欧の中央銀行の政策金利の連動である。

基本的に、米国が先頭になって利上げを行い、米国が利上げを行う猶予期間のなか日本も利上げを検討するものの、結局、いつも最後に利上げを行い、その翌年、皮肉にも世界同時減速に陥ることが繰り返されるというジンクスだった。ここで「欧州」は、1990年代まではドイツの中央銀行ブンデスバンク、2000年以降は欧州中央銀行(ECB)の意味している。

このように、日本の利上げが常に最後になったのは、過去半世紀の変動相場制以降、為替の円高不安を常に懸念し、先に利上げを行って円高になることを恐れてきた面が大きかったと考えられる。

また、米国の経常赤字が続きドル暴落不安もあったため、先に日本が利上げに向かうことは許容されにくかった。

ただし、グローバルな景気回復を列車に例えれば、「先頭車両」の米国が経済回復で利上げを開始し、その後、時間差を伴い「第2車両」の欧州が利上げを実施し、最後に「最終車両」日本が動くのであるが、その頃には、回復サイクルは一巡し、先頭車両は既にピークアウトし、日本が漸く利上げを行った翌年には、世界経済の減速、市場の暴落があるという現象が繰り返された。

 

■図表1 金融市場の「5回のジンクス」と「6回目」

作成 岡三証券
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