いつ食べても確かな味

ゲイ風俗では基本的にみんな食事を済ませてから出勤するか、お泊まりやデートコースのお客様と食事をしにいくので、同僚同士でご飯にいく機会は少ない。

店舗に備えてある控室でコンビニ弁当やカップ麺を一緒に食べることはあるが、どうも味気が無い。コンビニまで行って、財布と相談したあと買ったカップ麺にお湯を入れ、作業のように胃に入れる。いつでも指名が入っていいようにだ。

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そんなふうにいつもみんな空腹を抑えるための食事か、仕事中にこなすお客様に気に入ってもらうための食事しかしていなかったので、あまり好き勝手に外食することは無かった。

でも時折、退勤時間が重なったり、閉店まで出勤していたボーイたちで、夜中にご飯にいくこともある。そんな時は決まって言うのだ。

「ラーメン食べに行こう。天下一品のこってり」

若く、お金もそこまで無く、そして明日に備えるために体力が必要な人間たちにラーメンはピッタリだった。いろんなラーメンを食べに行ったが、やっぱり天下一品のこってりは唯一無二で、その当時つるんでいた奴らとしょっちゅう食べに行った。

こってりラーメンだけは、いつ食べても確かな味で、期待通りの幸せをくれた。