Twitterフォロワー数は59.6万人、『このゲイとは付き合いたくない!!!』(講談社)、『ゲイ風俗のもちぎさん』(KADOKAWA)など数々のヒット作を持つ人気ゲイ漫画家・小説家の望月もちぎさん。気性の激しい母の元、幼い頃から母子2人きりという家族環境で育ち、高校生になると母親に「家にお金を入れろ」と求められ、ゲイ風俗で働き始める。そして18歳で、遂に家出。ゲイ風俗で働きながら何とか大学を受験し入学、そして卒業。企業に就職するも、うつ病を発症して退職する。

そのうつ病について、もちぎさんがご自身のnoteに投稿したエピソードが話題になった。ご本人の許可を得て、そのnoteを転載した前編【ゲイ作家もちぎさんが語る…新卒で入った会社を辞める時、うつ病になった話】、中編【うつ病になり再びゲイ風俗へ…作家・もちぎさんを救った「こってりラーメン」】から続く後編です。

必ず頼むこってりラーメン

あたいは天下一品のこってりラーメンをいつも大で頼んだ。サイドメニューやトッピングは特に必要ない。テーブルに備え付けられた辛子味噌やニラを時折入れたりするが、基本的にはシンプルにこってりと向き合い、それだけを完食する。なんならばスープだって完飲する。

こってりラーメンは野菜や鶏ガラのエキスでとった秘伝のスープらしいが、およそ健康的では無いような見た目と濃度が売りだ。まぁラーメンに健康を求めている人間なんて、マクドナルドでダイエットしようと考えてる人間くらい前提からちゃんちゃらおかしい奴なので、あたいは気にせず必ずこってりを頼む。

写真はイメージです。Photo by iStock
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どろっとしたスープをレンゲで掬い、喉に押し込む。ざらりとした食感。もはや固形にも近い。脳が固形か液体かを判断しかねる間に、飲み込む。その瞬間、確かに鶏ガラと野菜がスープから顔を出す。しかし次の瞬間には脂と返しがダイナミックに京都ラーメンさを主張する。そんな深みとジャンキーさを兼ね備え持つスープを、麺に絡ませ口に運ぶ。箸で掴む麺が重い。なんせスープが絡みに絡みついてるのだから。

ラーメンのスープなんて飲まない、と言う者であっても、天下一品のこってりラーメンではそうもいかない。なんせ麺を啜るだけでもスープは「俺が主役だ」と言わんばかりに口内へ進入してくる。その主張がたまらなく「こってりを食べにきた」と思わせてくれる。唯一無二の味の体験なのだ。