優秀な姉と、平凡な妹

よく覚えているのは、母がいつも「お姉ちゃんが特別優秀なだけだから。アンタは普通なだけで、別に頭が悪いわけじゃない」「お姉ちゃんに追いつこうとしなくていい」と言っていたことだ。

姉はその後、県下で一番の進学高校に進んだのだが、母は私には、中学に入ったときから「別に〇〇高校に行かなくてもいいんだからね」と言い続けていた。私がその後成績を上げ、同じ高校に合格したときの第一声は、「おめでとう」ではなく「アンタが入れると思わなかった」であった。

一方の姉は、高校に入ると優秀な生徒だらけだったため、そこからは“特別優秀”ではなくなった。成績は中間くらい。加えて恋愛にうつつを抜かし、最終的には中間よりもかなり下位に落ちていたようだ。しかし5歳も上の姉は、私がそのことに気付く前に、大学生になって家を出て行ってしまった。そのため私の中の格下感は、全く塗り替えられるチャンスがなかったのだ。

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その後も私は、姉の大学時代の友人や、姉の歴代の彼に会わされ続け、彼らの前で「この子、ズレてるから」「モテないから」と上下関係を明確にされてきた。

それでも姉が大学に入って以降は、ずっと離れて暮らしていたため、姉のそういった態度に腹を立てるところまではいかなかった。何より、自分がズレていてモテない、というのは本当のことだと思っていたので、腹を立てるなんて発想すらなかったのだ。

その後私はマスコミの仕事に興味を持つようになり、地元のテレビ局に入社。そこでそれなりに頑張って認められるようになったので、少しずつ自信をつけていった。一方の姉は地元で結婚して2人の子供をもうけ、子育てにいそしんでいた。

大人になって対等になったかのように見えた関係だが、姉は私のことを決して認めようとはしなかった。