昨今は“毒親”、“親ガチャ”といった言葉がよく聞かれ、親子関係は大きな注目を集めるところとなっている。しかし家族というのは親と子だけではない。きょうだいという存在もいる。こちらの関係性も、親子同様にまた難しいようだ。

とくに姉妹は様々な愛憎が生まれやすい。女性の悩みを専門に相談を受けているカウンセラーの山脇由貴子さんも、姉妹はお互いのことをよく話し共有するものが多いだけに、距離が近くなり過ぎてこじれることが多い、と言う。

FRaU webで連載する山口真由さんも先日、姉妹関係の難しさを赤裸々に綴り、大きな反響を呼んだ。山口さんの苦悩は「妹の模範であらねば」という姉ゆえのプレッシャーからくるものだったが、一方で世の妹は、年下であるがゆえに築かれる圧倒的な上下関係に悩まされる場合が多いようだ。

そこで「姉の支配」に長年苦しみ続け、必死の思いで脱却した38歳の女性、夏美さん(仮名)の経験を紹介したい。

幼い頃から私をけなしていた姉

私と姉は5歳差の2人姉妹。幼い頃の5歳差というのは圧倒的な差で、何をどうやっても敵わないものだ。頭だって、運動神経だって、当たり前だが5歳分優れている。その有利性をいいことに思う存分マウントしてくる、それが私の姉だった。

写真はイメージです。Photo by iStock
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近所の子供たちと一緒に缶蹴りゲームをしたときは、私が鬼になると、姉は年上の利を生かして上手に背後から近づき、缶を蹴って平気で私を敗者にした。これは私に何とも言えない屈辱感を与えたものだ。また新しい遊び仲間が入ってきて私の名前を尋ねると、私の名前が“夏美”であることから、すかさず「コイツ、なすびだから」と紹介。その子が「え、なすび? なんで?」と聞くと、「なすびみたいにマヌケな顔をしているでしょ。実際マヌケだし」と私を笑いものにしたのだった。しかし幼い私には、それが意地悪だと気づく知識すらなく、ただ何となく惨めな思いを一瞬味わった後、再び本能的に姉の背中を追い回していた。

とは言っても、姉も常に意地悪だったわけではない。姉の持ち物は幼い私には全てカッコよく見えたので、私が欲しがると機嫌のいいときは「あげるよ」と優しくくれることもあった。

しかしこれも、今思えば姉と私の上下関係を生む要因の一つになったと思う。