全ロシア将校協会が「プーチン辞任」を要求…! キエフ制圧でも戦略的敗北は避けられない

破滅的な侵攻を回避できるか
北野 幸伯 プロフィール

ウクライナ侵攻は、ロシアにとっても破滅的

イヴァショフは、ロシアのウクライナ侵攻に反対している。その理由は、

第1に、国家としてのロシアの存在を危ういものにする。
第2に、ロシア人とウクライナ人を永遠の敵にしてしまう。
第3に、ロシアとウクライナの若くて健康な男性が、数万人亡くなる。

興味深いことに、イヴァショフは、NATOが結局、ウクライナ側に立ち、ロシアに宣戦布告。ロシア軍はNATO軍と戦うことになると予測している。

そして、ウクライナ侵攻の結果は……。

〈 ロシアは間違いなく平和と国際安全保障を脅かす国のカテゴリーに分類され、最も厳しい制裁の対象となり、国際社会で孤立し、おそらく独立国家の地位を奪われるだろう 〉

要するに、イヴァショフと全ロシア将校協会は、「長期的に見ればロシアは必ず負けるから」戦争に反対しているのだ。

Gettyimages

話はここで終わらない。公開書簡は、「ウクライナ侵攻をやめること」だけでなく、「プーチン辞任」も要求しているのだ。

なぜか?

彼は、プーチンと側近が、ウクライナ侵攻はロシアに悲惨な結果をもたらすことを理解しているとみている。

では、なぜ侵攻したいのか?

 

イヴァショフによると、「ロシアは現在、深刻なシステム危機に陥っている。しかも、ロシアの指導者たちは、国をシステム危機から救うことができないことを理解している。システム危機が続くことで、いずれ民衆が蜂起し、政権交代が起こる可能性が出てくる」

だが、ウクライナに侵攻すれば、どうだろうか? イヴァショフは次のように言う。

「戦争は、しばらくの期間、反国家的権力と、国民から盗んだ富を守るための手段だ」

彼と将校協会から見ると、「ウクライナ侵攻」は、プーチンが「自分の権力と富を守るためだけの戦争」なので、辞任を要求したのだ。

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