呼吸は生きることの根幹。それなのに、日々のストレスや疲労、マスクの着用で、気づくと呼吸が浅くなっている人も多いのでは? どっしりと落ち着いた心をつくる、深い呼吸のコツを教わります。

静かに舞うようにゆったりと動きながら、心身を整える太極拳。レッスンを続けて目指すのは、心・呼吸・体の調和です。俳優の小島聖さんと、大空の下で太極拳の基本を習いました。

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講師:楊玲奈(よう・れいな)
楊名時太極拳師範。日本に太極拳を広めた祖父・楊名時と母・楊慧のもと、幼い頃から太極拳に親しんで育つ。新宿や自由が丘、横浜などで直接講師を務めるクラスを持つ他、メディアでも活躍中。reina-yo.com

生徒:小島聖(こじま・ひじり)
俳優。舞台や映画を中心に活躍。画家の平松麻とオリジナル紙芝居を制作・朗読する活動「おもいつきの声と色」や、エッセイの執筆も行う。主演を務める舞台『ラビット・ホール』は2022年2月から上演。

目指すのは調心・調息・調身。
息と体が合うと、心も穏やかに

太極拳の教えのひとつ“上虚下実(じょうきょかじつ)”。

「上半身は力を抜いて楽にする“虚”の状態に、下半身はしっかりと大地を踏みしめて“実”の状態にするという意味です」と楊名時太極拳の師範・楊玲奈さん。

「“虚”とは力みがないこと。すると、自然と胸が開き、呼吸が深まります」

デザイナーやスタイリストなどクリエイターからも信頼の厚い玲奈さん。玲奈さんの祖父が広めた楊名時太極拳は“競わない・比べない”が信条。レッスンは穏やかで、初心者でも楽しめる。

こんな話からスタートした玲奈さんの屋外レッスン。青空の下、太陽の光を感じながら静かにゆっくりと体を動かしていると、気持ちも自ずと穏やかになっていく。ランニングや山登りなど体を動かすことが好きな俳優の小島聖さんは、以前から太極拳に興味があったそう。

玲奈さんの手元。力みのない指先が美しい。太極拳の動きは、体の緊張も取り払ってくれる。

「歳を重ねても続けられる運動を身につけたかったんです。偶然、玲奈さんのレッスンを知って参加したのが数ヵ月前。今日は2回目の体験です」

公園などで見かける太極拳は「24式太極拳」と呼ばれるもの。武術として発展してきた太極拳からよりすぐりの24型を選んだ健康法で、1956年に中国で制定され、今では世界中に愛好者がいる。

太極拳は呼吸法に則ったバランス運動。鼻から吐いて、鼻から吸う腹式呼吸を続けながら、止まることなく24の型を続けて行う。これによって目指すのは調心・調息・調身。つまり、心と息と体の調和を深めること。玲奈さんのレッスンは言葉もユニークで「ゆったりと舞う鳥のように」「静かに流れる大河のように」と教わると、自ずと体は伸びやかに。それに合わせて呼吸も深く、穏やかになっていく。

ガオタンマの型を習う小島さん。

「体の動きと呼吸は連動しています。初めて太極拳をする人は、ゆっくりと片手を上げるだけでも、つい肩や腕が力んでしまう。でも、呼吸のリズムに合わせると、力を抜きつつ、ゆっくりと体を動かせるんです。これを繰り返すことで、緊張で体が強張ったり、呼吸が浅くなりやすい人も、無理なく心身を緩めることができます」