コロナ規制の撤廃に動くイギリス、「感染した場合の対応」は日本とどこが違う?

難しい判断と「それぞれの対応」
細田 満和子 プロフィール

・検査の徹底と自己隔離
この原稿を書いている時点で濃厚接触者は、NHSから注意喚起のテキスト・メッセージが送られても、いくつかの条件がそろえば自己隔離は必要ない。それらの条件とは、ワクチンを2回以上打っていたり、18歳以下だったり、コロナワクチンの臨床研究に参加していたり、医学的理由でワクチンが受けられなかったりするというものである。ただし、濃厚接触をした最後の日から7日の間は毎日、LFDの検査をしなくてはならない。【NHS のCoronavirus (COVID-19) > Self-isolation and treating symptoms of coronavirus (COVID-19) > When to self-isolate and what to do. 2月6日閲覧】

イギリスでは、特に学生はワクチン3回目を打って1ヵ月以上たつ人が多いので、濃厚接触者になったとしても、ほとんどは隔離の必要が無いと見なされている。それは、同居家族の場合でも同様である。LFDで陰性で、2回以上ワクチンを打っていれば隔離の必要はない。しかし家族がもしワクチンを打っていなかったとしたら、10日間の隔離が必要とされる。

このようにイギリスでは、クリニックや病院に行かずに日常的に自分でLFDを行ったり、検査場やドライブスルーや郵送でPCR検査を行ったりして、陽性になったとしても宿泊施設などにはいかずに自宅で自己隔離を行っている。そして家族や友人なども濃厚接触者になったとしても、多くの場合隔離の必要はない。ちなみにNHSによると、必要なのに自己隔離を行わなかった場合には、1,000ポンドからの罰金が課されることがあるという(繰り返しになるが、この原稿を書いている時点での情報である)。

 

日本でコロナ陽性になった場合はどうか?

日本で同時期(2022年1月中旬)にコロナ陽性になった場合、本人の検査や隔離に大変な労力を要するが、家族の負担も大きいようだ。

例えば東京において感染が確認されると、入院治療の必要のない軽症や無症状の場合は、自宅療養や都が用意したホテルなどの宿泊施設での療養となる。ちなみに宿泊療養の場合、療養費・食費の自己負担はない。そして、発症2日前にさかのぼって会食やマスクを外しての会話をしたなどの人に対して、濃厚接触者であることを自分で伝えなくてはならない(原則としては保健所が伝えることになっているが、追い付いていないようである)。

家族などの濃厚接触者は、感染者が宿泊施設に入ってから10日間は外出自粛をすることになっている(東京都福祉保健局>新型コロナ保健医療情報ポータル>療養中の方への支援>宿泊療養施設のご案内より)。

2022年1月15日に大学生の娘さんが陽性になったある母親から、本人は宿泊施設で隔離生活を送らざるを得ず、家族も長期間の自主隔離をしなくてはならなかったなど、大変だったことを聞いた。

2日前の1月13日から娘さんに高熱や咳などの症状が出たので、翌日に二人で近所の病院に行ってそれぞれがPCR検査した。この時の検査は二人とも有料であった。次の日15日にメールで結果が送られてきて娘さんが陽性だった。そのメールには、いくつかの宿泊施設の連絡先と、自分で連絡して予約を取るようにと書いてあったという。

そこで、母親はその日のうちに宿泊施設に電話をかけ続けたが結局どこにもつながらなかった。翌16日も朝9時から電話をかけたがなかなかつながらず、つながったとしても3日後以降に宿泊可能と言われたりしたという。その後予約が取れて、娘さんは18日に宿泊施設に入ることができたが、母親によればこの間、「除菌に始まって除菌に終わる」という毎日で疲れ果てたという。

最初の症状が出てから10日後の1月25日に娘さんは完治となって隔離が終了し、この時点は特に検査は求められなかった。家族も娘さんが宿泊施設に入った日から数えて10日間の長い自粛生活を送った。自粛明け後は、念のためにと自主的に検査を受け、二人とも陰性だった。この時は、東京都が無料で提供している羽田空港での検査であった。

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