コロナ規制の撤廃に動くイギリス、「感染した場合の対応」は日本とどこが違う?

難しい判断と「それぞれの対応」

「規制撤廃」に動くイギリスの今

世界保健機関(WHO)の欧州地域担当部長が1月中旬に、欧州大陸が「パンデミック収束」に向かうだろうという期待を示した後、同部長の上司はすぐにそうした楽観論を否定する動きを見せた。WHOのテドロス事務局長も、コロナウイルスの「終盤戦に入ったと考えるのは危険だ」との主張を繰り返している。このような立場の違いは、「パンデミック対エンデミック」の対比で理解できる。

専門家の間では変異株オミクロンはエンデミック(季節性で毎年繰り返し流行する感染症)として捉えてよいのではないかという声も少なくないが、一方でオミクロン感染を管理可能なものへとする道のりが簡単だと考える保健専門家はほとんどいない。

そして、この対比は、各国の規制にも見ることができる。規制撤廃に向けて動いているイギリスでは、2022年1月27日から新型コロナウイルスの検査結果やワクチン接種を証明する「コロナパス」を提示しなくてもナイトクラブやイベント会場などに入場できるようになり、公共の場でマスクを着用する必要もなくなった。

さらに、イギリスの首相ボリス・ジョンソンは、2月下旬からはコロナ陽性者の自主隔離の法的義務も撤廃にすると言っている(2022年2月10日付のReuterの記事 UK PM Johnson speeds up plan to end COVID self-isolation ruleより)。

イギリスのボリス・ジョンソン首相/photo by gettyimages
 

そこには、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のデビッド・ヘイマン教授が示すように、人口の97%がワクチンの接種やウイルスの感染によって、新型コロナウイルスへの免疫を持っているとみられるという背景がある(2022年1月29日付のFINANCIAL TIMESの記事 ‘Pandemic vs endemic’ sets up two conflicting Covid endgamesより)。

イギリス国民医療制度(NHS)は今回の規制撤廃について、科学的根拠に基づく措置だと強調している。感染力の強いオミクロンによる新規の症例は減少傾向にある。公式統計によると、1日あたりの感染者数は、ピークだった2022年1月4日の245,000人超から、14日には60,000人程度に減少した。

また、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)が1月25日に発表した研究結果では、従来型より入院日数が短く、集中治療室(ICU)の入院者や死者も少なくなることが確認されたり、オミクロン株の重症化率は低いという報告がなされたりしている。

こうした発表などからオミクロン株は「マイルド」と思われがちだが、CDCのロシェル・ワレンスキー所長は、「重要なのは、“マイルド”は“軽度”を意味しないことです」と断言する。そして感染力の強いオミクロン株によって、医療システムに負担がかかり、1日に2,200人近い数の死者が出ていることを強調し、油断しないように呼び掛けている(2022年1月27日付のFox Newsの記事 CDC Director Walensky on omicron's severity: 'Milder does not mean mild'より)。

関連記事