外出・交流…それぞれに違う判断

自宅待機と言われても、Cさんは全く出かけないわけにはいかなかった。数日、家にいただけで、周りの子供たちもストレスを感じていた。「学年閉鎖の期間、仕事があって短時間、1人で留守番させた保護者もいます。我が家も、本当はいけないかもしれないけれど、同じマンション内の、同じ学年のお宅が数時間、預かってくれました。子供につきっきりは無理、という家庭が多いです。意外と親がいないほうが甘えずに宿題もやりますし、留守番させてもゲームをしたりテレビを見たり、おとなしく待っているそうです」

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習い事に行くかどうかも、悩みどころだ。感染予防のため、欠席したりオンラインにしたりする家庭もあれば、普段通り参加する子もいる。Aさんの息子は、プリント学習の塾に行き始めたばかりで、「閉鎖の該当学年の子は、教室には来ないでください」と連絡があった。別の習い事は、先生の家族がコロナの検査待ちで休みになった。上の子のスポーツ活動は、学年ごとに曜日をわけて続いており、本人の希望で参加している。ただ、週末の外出は自粛した。「友達と会う予定でした。今週は自粛しようと言ったら、上の子は『コロナ嫌い』と言って残念がっていました」

どこまで自粛するか、どういう距離の付き合いならいいかは、親しい友達の間でも価値観が違う。「電車や人混みも怖くて集まりたくない、と言う友達もいる一方、たまにならランチもいいよね、と気にしない人もいて、コロナに関しては考え方がみんな違います。それで会えなくなった友達、誘いにくくなった友達もいます」

この話を伺った後、続けてCさんの上の子のクラスが学級閉鎖になった。学年が上がると、学習内容も変わる。「自習課題としてやっておくように、ということが多く、親が見なければならなくて、負担は低学年の息子の時より大きかったです。先生は遠慮がちに『作文や制作物はできるところまでやってね』というニュアンスでしたが、全部やりました」

学級閉鎖中も、Cさん親子は公園や散歩に出かけた。昼ご飯は、テイクアウトしたほか、飲食店に食べに行った日もある。家では、映画を見たり、ゲームをしたりして過ごした。

学校閉鎖でも濃厚接触者でないことさえわかっていれば、元気な子どもたちと外に出られる。問題はそれも言われないときだ Photo by iStock

「怖がりすぎないことも大事」

Cさんは、二度の自宅待機を体験して、具体的な対応も考えるようになった。「我が家は食べ物に気をつけ、睡眠をとって免疫力を上げるように努力しています。食料の備蓄も考え始めました。これからも、一つひとつ判断していかなければなりませんね。学級閉鎖がなければ登校し、習い事に行き、私も必要な外出はしています。厳密に自粛してガマンしても、いつまた波が来るかわからないと考えて、動いている人もいるでしょう。怖がりすぎないことも、大事だと思っています」

気をつけて生活していても、今や誰が感染してもおかしくない状況だ。365日24時間、子供の生活に責任を持つ親たちが敏感になっているのは、未知のウイルスへの恐れのほか、陽性者や濃厚接触者に厳しいルールがあること、感染したらどんな生活を送るかあまり知られていないことも、関係するだろう。

感染した家庭の体験談に触れ、検査や診察・過ごし方のシミュレーションをし、身近な人と「困ったら、玄関先に食料を届けるよ」と声をかけ合うだけでも、緊張が少しゆるむかもしれない。そして保健所や学校等も人手不足で大変だが、アクセスしやすい医療機関や、相談先を把握しておくと心強い。