相次ぐ「閉鎖」にショック…預け先なく
東京都内に住むCさんは、2人の子が相次いで学年閉鎖と学級閉鎖を経験した。通っている公立小は、昨秋にデルタ株が流行した時も、ほとんど陽性の報告はなく、普段通りの授業を行い、校外学習もあった。ところが1月半ばごろから、毎日のように陽性の児童数を報告する学校のメールが届き、10人を超えた日に突然、「明日から学年閉鎖」という連絡があった。低学年の息子の学年だった。
「他の自治体より陽性が少ないと思っていたら、急に閉鎖になってショックでした。それまで、感染は遠いところで起きている話だと思っていました」
学年閉鎖の対象の子は、「自宅待機」と言われた。Cさんは現在、事情があって仕事から離れているが、保育園出身の親たちは、預け先に苦労したという。閉鎖したクラスの子は、公立の学童保育も、児童館も、民間学童も利用できない。唯一、ある民間学童がPCR検査を条件に預かり可能で、どうしても休めない職種の保護者は、格安でPCR検査ができる医療機関を探して連れて行き、陰性を証明した上で預けた。
タブレットに「安心感」は得られた
5日間の学年閉鎖のうち、1日目は、「お手伝いをしてください」という程度の宿題が出された。1日目の夜に、時間割が送られてきて、2日目からオンライン授業。タブレットのビデオ会議ツールで、朝の会や帰りの会が開かれ、体操をした。1時間目だけ、先生が国語と算数の授業をした。文部科学省のギガスクール構想により昨年、児童全員に配られたタブレットがあったから、できたことだ。「2020年の一斉休校の時より、一歩前進したと思います」とAさん。
オンラインの様子を見ると、何人か休みの担任がいて、先生たちが時間をずらして授業をしていたため、濃厚接触者になったか感染したか、先生に事情があるのではと推測した。クラスの子たちは元気なようだった。「タブレットは、学習できるというより、安心感が得られます。連絡がチャットに入り、先生が子供のコメントに返事をする余裕はなくても、一方的なメールよりは、つながっている感覚があります。タブレットは学校で使って慣れていて、低学年の子でも集中できました」
Cさんの息子は、「オンラインで友達の顔が見えるのが、嬉しい」と言う。早めに待機し、ミュートせずに雑談している子たちもいて、先生も見逃してくれる。朝の会で、先生がクイズをして盛り上がっていた。「もし学年閉鎖が長引いたら、もう少し授業をしてほしいとか、仕事はどうしようとか、課題は出てくると思います。フルに時間割通りの双方向授業は大変でしょうが、できれば国語と算数ぐらいは毎日、先生にオンラインで授業をしてほしいと思いました」