2022.02.16

ウクライナ侵攻が実行されたら、ロシアの「経済的打撃」はどれほどになるか? 衝撃の試算

前回はロシアの財政が原油価格に依存していることや、経済構造が脆弱であることなどから、実際にはウクライナに侵攻せず、原油高が維持される状態がベストであることについて解説した。しかしながら、国際政治の状況次第ではロシアが侵攻に踏み切ることも考えられる。実際に侵攻が行われた場合、ロシアは経済的に耐えられるのだろうか。

戦費の調達そのものはまったく問題ない

各種報道によると、ロシアがウクライナに侵攻する場合、最大兵力は18万人に達すると言われる。18万の兵力を動かせば当然、高額な戦費が発生するが、近年は軍隊のハイテク化が進んでおり、軍事オペレーションのコストは以前と比較すると下がっている。

米国が行った過去2回の戦争(湾岸戦争とイラク戦争)を比較すると、イラク戦争の単位兵力当たりの戦費は湾岸戦争の3分の1以下となっている。ロシアの軍隊は米国と比較して旧式であることを考慮に入れる必要があるものの、軍事オペレーションが2カ月程度で収まるのであれば、それほど高額な戦費にはならない。筆者が試算したところ、ロシアが追加で負担しなければならない戦費は3兆円程度で済む。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

2021年におけるロシア政府の歳入は67.4兆円と原油価格の上昇で大幅に拡大した。ロシア政府は徹底的な緊縮政策で知られ、健全な財政を維持している。2020年、21年はコロナ対策などで財政収支は赤字になったが、2018年、19年の収支は黒字だった。

また、政府債務のGDP比は18%しかなく、257%の日本と比較すると圧倒的に低い。また原油価格の上昇によって貿易黒字も拡大しており、2021年の経常黒字は946億ドル(9.9兆円)を確保している。

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