2022.02.19
# 週刊現代

名曲『ラヴ・イズ・オーヴァー』が、当時のリスナーに”刺さりまくった”「なるほどの理由」

週刊現代 プロフィール

伊藤:それはアレンジを担当してくれた大名人・若草恵さんのおかげです。この曲の間奏には、サックスのソロがあるじゃないですか。あそこで哀感がぐっとこみ上げるんだけど、フォーク出身の僕には考えつかないようなアイデアでした。

菲菲:あの部分は、フィリピン人サックス奏者のジェイク・コンセプションが吹いていましたよね。

伊藤:そうそう。彼はものすごい売れっ子だった。'70〜'80年代の日本の音楽シーンに欠かせない存在でした。松田聖子さんの『SWEETMEMORIES』の間奏で入ってくる印象的なサックスを吹いた人といえば、ピンとくる人も多いはず。

最後に告げる強烈な愛

富澤:『ラヴ・イズ・オーヴァー』の女性はとても気丈なんです。でも、心の中ではひとり静かに泣いている。それをジェイクのサックスが見事に代弁している。単なる間奏ではなく、ナレーションになっているのがすごいよね。

 

菲菲:シンプルで覚えやすいメロディが若草先生のアレンジによって、一層ロマンチックに仕上がっていますよね。

富澤:そうやって素晴らしいメロディと歌詞を備えた曲だけど、これほど後世に残るような名曲になった最大の要因は、やっぱり菲菲さんの歌声だよね。

伊藤:間違いない。菲菲さんが歌っていなかったら、ここまでの曲にはなっていなかった。

菲菲:そう言っていただいて光栄です。以前、あるディレクターさんからも「菲菲の発音がとても格好良く響いて、聞く人の心を初っ端から鷲掴みにした。日本人だとこの味は出せないよ」と言ってもらったことがあります。自分自身ではよく分からないんですけど、私なりの個性が出ているということなのかな。

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