2022年2月8日、元宝塚で女優の沙央くらまさんと昨年に結婚し、今年第1子となる男児が誕生したことを発表したダンサーで俳優の大貫勇輔さんが、先日講談社より、ファースト写真集『le mec(ルメック)』を出版した。サブタイトルに、「ダンサーのカラダで魅せる」とあるように、ため息がでるような美しいカラダを惜しみなく披露している。

近年は映像でも活躍しているが、ダンサーとしてデビューし、もともと舞台中心に活動している。とくに2021年から2022年初めにかけて上演された、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』でのケンシロウ役は、「お見事!」の一言だった。人間の、ダンサーのカラダってこんなにキレイなんだと感動すら覚える。

今回は、写真集の発売記念イベントの囲み取材とFRaU単独インタビューでの大貫さん本人の言葉を用いながら、その魅力を深堀りしていきたい。

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北斗の拳のケンシロウ役で話題に

写真集を出すのが夢だったという。撮影は2021年10月に沖縄で実施。露出の多い海辺での撮影前には、「何がカラダにいいか調べて、トマトジュースと干し芋を食べて撮影に臨みました」。

(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111

その後、12月に大貫さんは、前述の『フィスト~』でケンシロウ役を演じている。日生劇場の舞台には、まさに劇画から抜け出したかのようなケンシロウが存在していて、大げさではなく、多くの観客が息を呑んだのが分かった。機会があればぜひ多くの人に観てほしい。

振付はコレオグラファーの辻本知彦さん(※正しくは「辻」の点は1つ)が中心となり、一部、幕開けの「伝承者の拳法」のシーンの振りや、拳王の進軍でラオウが馬(黒王号がとてもかわいい!)に乗って登場するところなどは、中国の国家第一級演出・振付家、顔安(ヤン・アン)さんが担当している。

「戦っているシーンが舞っているように見えないように、ちゃんとアクションシーンとして成立させたかった」と空手を習い、挑んだアクションシーンや、漫画の再現度など見どころ満載だ。

(C)武論尊・原哲夫/コアミックス 1983 版権許諾証GS-111

同作はクチコミで評判が広がり、客席は徐々に熱狂。東京千秋楽・大阪公演は完売だった。公演は終了しているが、配信を行っていたので、筆者もケンシロウが自身の使命に目覚める「心の叫び」のシーンはアーカイブで何度も見直した(同作のファンがリスペクトを込めて、ケンシロウ版レリゴーと称する場面だ)。そもそも海外の作曲家に作曲を依頼し、ゼロから作品を作っている。制作会社は、再演を視野に入れているはずだ。そして今の時点で、大貫さん以外にケンシロウを演じられる俳優が私にはひとりとして思いつかない。
なお同作は今秋、中国での公演が予定されている。大貫さんをはじめ、キャスト・スタッフを含め、日本での公演と同じものが上演される予定だ。

(C)le mec/講談社 撮影/KOHEY KANNO

そのケンシロウで魅せたカラダだが、『le mec』に掲載されている肢体とはまた違っていて、そこも非常に興味深かった。そのカラダづくりについては大貫さん本人がこう語っている。

「ケンシロウ役に向け、2月からパーソナルトレーニングを始め、一度12kg体重を増やし、その後、7kg落としました。でも少し足りないかなと思い、さらに少し体重を増やしています。そのため写真集の撮影は、ケンシロウのカラダを作っていく──、要するにカラダを大きくしていく最中。そのなかで何ができるかを考えた時、干し芋とトマトジュースをひたすら食べて、飲むことにしました(笑)」

大貫さんは、“魅せる”仕事で生業を立てている人間の矜持ともいわんばかりに、いとも簡単そうにそう話す。