2022.02.19
# 数式

【無限和・極限とは】1/2+1/4+1/8+1/16+…は何になる?

パラドックス「アキレスと亀」は何が間違っているのか

横山明日希の〈数式図鑑〉

「数学のお兄さん」として活躍する横山明日希さん。「“体験”を通して算数・数学をもっと身近な学びに」という理念で、数学×恋愛、数学×お笑い等、数学と異分野を掛けあわせた独自の切り口の授業や講演、著書などで人気です。

そんな横山さんの新著『数式図鑑』は、ピタゴラスに始まりニュートンからオイラーまで、数学好きには外せない、さまざまな数式の美しさ、すごさ、不思議さをわかりやすく伝えるとっておきの数式集です。本書から、初めて知る数式や、よく知る数式の意外な一面など、読みどころを、ここにご紹介しましょう!

今回は、どんどん小さくなる分数を無限に足していくと、ある数に収束する、という無限級数と極限が学べる数式です。

分数の和の極限

1/2+1/4+1/8+1/16+…=1

半分に、その半分を足して、そのまた半分を…

無限が登場する式は、直感的には不思議な感覚を持ちやすいものです。この式は、どんどん小さくなる分数を無限に足していくと、ある数に収束する、というものの代表的な例です。

まずは無限に足すことを表している、「…」の代わりに、和を途中で打ち切ったときどんな数になるのかを考えてみると、直感的に1に近づいていることが理解できると思います。

1/2+1/4+1/8=7/8= 0.875

1/2+1/4+1/8+1/16=15/16=0.9375

1/2+1/4+1/8+1/16+1/32=31/32= 0.96875

ただ、このように増やしていってもぴったり1になることはなく、たとえば100個の項を足しても、

0.999999999999999999999999999999211139094778988194588271434717213…

となり、小数点30桁目までは9が並ぶものの、それ以降は9以外の数字が並びます。このようにこのまま足していっても1となることが示せるわけではないので、ここでは「数列の和の極限」という方法を考えましょう。極限とは、無限を突き詰めたときに式が到達する値のことを指します。

等比数列の和Snは、初項をa 、公比をr 、項数をnとすると以下のような数式で書くことができます。

Sn=a(1-r) /1-r

今、初項1/2、公比1/2、項数nと数えられますから、

Sn=[1/2{1-(1/2)}]/{1-(1/2)}=1-(1/2)

元の式は、項を無限に足し合わせていっているので、数nを無限に飛ばし、極限を取ってみましょう。

lim n→∞×Sn=1-0=1

ここでの極限は、nがどこまでも無限大に近づいたときに、式が近づく値だと考えてください。ここでの極限は、nがどこまでも無限大に づいたときに、式が近づく値だと考えてください。すると、2は無限に大きい値になるため、1/2という はゼロに近づき、右辺は1に収束することがわかりますね。この内容は数学IIIでは無限等比級数として習います。

さて数式の上では証明を得ましたが、元の式についてはこの証明以外の理解の仕方もあります。それが、「視覚的に見る」というもの。次の図を見てみてください。

【写真】視覚的にみる

面積1の正方形を半分に割り、次にまたその半分に割り、ということを繰り返している図ですが、

これは確かに、1/2、1/4、1//8  /…を図示したものになっていることがわかると思います。

公比が1/2/ということは、前の1を半分にしたものを足す、ということです。それを可視化すると、このようにわかりやすい図形として描くことができるのです。 

足し算を繰り返しているのに、和が無限に大きくならず、ある値、ここでは1に収束していくイメージがつきやすくなったのではないでしょうか。

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