「ウクライナ周辺には極東や中央部から動員してきた部隊を含めて、十数万人の兵力が集結しています。同盟国のベラルーシにも、3万人くらい展開させていると見られます。しかも2月に入り、部隊が駐屯地を出て、国境のすぐそばまで展開し始めました。普通に考えれば、これは攻撃準備態勢です。
拳銃にたとえると、撃鉄を起こして引き金に手をかけている状態になっており、いつ指を引くかわからない。兵士も疲れるので、このレベルの緊張度はそれほど長く続けられません。
2月20日に北京五輪が終わります。そして、ベラルーシでの大規模演習が終わるのも2月20日です。そのときにプーチン大統領は振り上げたこぶしを収めるのか、そのまま侵攻に踏み切るのか。
プーチン大統領の腹一つにかかっています。普通に考えれば侵攻しないと思うのですが、みんながそう考えていた'14年のソチ五輪後に、ロシアはクリミア半島の併合に踏み切った過去があります」
世界の覇権を手中に収めるため、虎視眈々とその時期を狙ってきた習近平。「中国が台湾統一に踏み切ったら、米軍は行動を起こす。台湾沖で米中が衝突し、全面戦争になれば、第三次世界大戦に近い形になるおそれもある」と専門家は指摘する。その詳細を後編記事『習近平の「台湾侵攻」で、これから日本に起こる「尖閣侵略」のヤバすぎるシナリオ』で明かそう。
『週刊現代』2022年2月19・26日号より