2022.02.21
# 医療

日本の医療はめちゃめちゃハイレベル…「超高精度ロボット手術」のスゴイ進化

世界で唯一無二の最先端技術

遠くの患者も救える

ピンク色の肉の襞を、ニッパーのような形をした電気メスがかき分けてゆく。その先端が、赤黒く変色した患部を挟んだ。わずかに煙が上がり、がんが切り取られる。出血はほとんどない—。

執刀する外科医の眼前には、患者の体内のわずか3cm四方が数十倍に拡大され、映し出されている。巨大に見える電気メスの先端部は、実際には5mmほどにすぎない。あたかも往年の映画『ミクロの決死圏』のごとく、微細な手術が繰り広げられているのだ。

最先端の外科医療では、すでに「ロボット手術」が当たり前になっている。『日本で“神の手”と呼ばれる「呼吸器外科」「胃外科」「大腸・肛門外科」の名医を実名公開する』でも紹介したように、実際にロボットを使う「神の手」が何人も登場した。

特に胃がんや大腸がん、直腸がん、前立腺がんといった腹腔内の手術では、メスで大きく切る「開腹手術」に比べて優位性は明らかだ。愛知県の藤田医科大学で総合消化器外科主任教授を務める須田康一氏が言う。

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「私は胃がんと食道がんを主に担当していますが、従来の開腹手術ではお腹を20〜30cm切るところ、ロボット手術の場合、8〜12mmの小さな穴を5つ開けるだけで済みます。術後の痛みや傷跡はほとんど残りません。

またロボットの操作は『サージョンコンソール』と呼ばれる操縦席で行いますが、これには『モーションスケーリング』という機能が備わっています。

例えば手元のコントローラーを1cm動かすと、体内の鉗子が3mmだけ動く、というように、大きな動きを小さく変換できる。機械の手指で手術をするわけですから、ブレもほぼありません」

いわばお腹の中に小人が入って、正確無比な手術をするようなものだ。

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