ひとつの謎
『カムカムエヴリバディ』の第二部「るい」編の後半は、京都で「回転焼き」を売る店「大月」を営んでいる。
ここで娘の「ひなた」を育てた。
ひなたは、昭和40年生まれである。
1970年代の京都で育っていることになる。
彼女は京都のどこに住んでいるのだろうか。
「天神さん」に簡単に行けて、「カモガワ」にも簡単に行けるところのようだ。
まったく場所がわからない。
今回の朝ドラの謎のひとつである。

私は昭和33年生まれで「ひなた」と七つ違いである。
1960年代から70年代にかけて、同じ京都市中で暮らしていた。
そのころ「子供から見た京都の街中」はどういう世界だったか、ということを述べてみる。
「ひなた」ちゃんと近い感覚だとおもう(深津絵里の演じる「るい」が当時のお母んに見えてくることがしばしばある)。
京都は、子供にとってはけっこう広い。
私が住んでいたのは、鴨川の五条大橋の近く、川より東方のエリアである。
市中に住む子にとって、京都だとおもっているエリアはわりと限られている。自分で見聞できるわけではないので、北は「北大路通り」が北限、それぞれ東は「東大路通り」、西は「西大路通り」が区切りだと勝手に信じていた。
子供にとっての勝手な区切りである。