子供のころから貯金が好きで、もう10年以上も「1日1000円」暮らしを実践しているという小笠原洋子さん。
「買わない」「捨てない」を貫いたライフスタイルは、お財布にも地球にもやさしい「ケチカロジー」生活。そんなケチケチ生活から生まれた節約術の本『おひとりさまのケチじょうず』『ケチじょうずは捨てじょうず』を出版したところ話題になり、雑誌やテレビで幾度も取り上げられるなど、70歳を過ぎて注目を浴びています。
そんな小笠原さんの節約術を紹介する短期集中連載、第1回め。
鍋を洗わず、毎日食べ続ける「永遠の一鍋料理」とは――。
10年以上変わらない「1日1000円生活」
私は72歳のひとり暮らしです。もう10年以上「1日1000円生活」をしています。日々、お財布から1000円だけ使うという生活習慣です。
年金暮らしの私は貧しい。それでも働かず、節約に徹する生活を選んだので、工夫しながら「1日1000円生活」を楽しむようにしています。それにしても綱渡り人生で、いつしか綱渡りが私の仕事となりました。

なにせ20代のころは「1日300円生活」に挑戦していましたから、綱渡りが身についてしまったのかもしれません。
念のため、この1000円には家賃や公共料金や修繕費などの特別支出などは含まれていません。そうしたお金は、若いころからひたすら老後のためにと、贅沢せずに溜めてきたわずかな預金から引き出されます。
私、幼少時から貯金に興味があり、通帳がお友達でした。いくら溜まったかな? よしよしと……。
でも、思いがけず2000円も使い込んでしまう日があります。そんな日の翌日は、家にこもって出かけないという罰則に耐えます。
月末になれば、ひと月分の支出を電卓パチパチ打って合算し、1日平均1000円程度だと、ほっとしてニンマリ。とても幸せを感じます。